謎の大和始発・新横浜行き臨時列車が「西谷16:10発」で設定されたのはある意味正解、という考察

鶴ヶ峰駅に停車中の21109F臨時各停新横浜行き この列車は西谷で次の快速を待って発車するが…?

鶴ヶ峰駅に停車中の21109F臨時各停新横浜行き
この列車は西谷で次の快速を待って発車するが…?

先日6/3(土)・6/4(日)の2日間、新横浜駅周辺でのイベント開催*1に伴い、夕方に相鉄方面からの新横浜行き2本、夜に新横浜始発相鉄方面行き3本の臨時列車3本が運転された。

本記事では、その中でも特に「大和15:50発・新横浜16:17着」の列車設定について、何故この時刻なのかという面で見ていきたい。結論から言うと空いていたこの列車だが、今後もイベント時期に臨時列車が設定されるとしたらこの時刻であるかもしれない、というだけの理由は一応存在する。

羽沢横浜国大駅に掲示された6/3(土)・6/4(日)運転の臨時列車案内

羽沢横浜国大駅に掲示された6/3(土)・6/4(日)運転の臨時列車案内

これらの列車の設定は、相鉄公式HPでは5/29に告知*2されるなど、1週間以内の急な案内となっていた。各種乗換案内サービスの類で検索結果に表示されたりされなかったりしていたようだ。そのような意味もあってなのか、実際に当該列車は比較的空いていた。ただ、仮に案内が周知されていたところで、それほど混雑する列車にはならなかった可能性が高い。

鶴ヶ峰駅を通過する21108F特急西高島平行き

鶴ヶ峰駅を通過する21108F特急西高島平行き

というのも、相鉄本線から新横浜方面へは、少し前に定期列車の「特急 西高島平行き」が走っている。大和時点では定期特急が15:46発、臨時列車が直後の15:50発とたった4分差になっていた。通過運転と臨時列車の後続待ちもあり、西谷発は定期特急15:59発、臨時列車は16:10発と11分差であった。西谷で新横浜行きに追いつく後続の快速列車について「新横浜行きに接続がある」という案内がどれほどされていたかは分からないが、掲示だけでは必ずしも気づけないことであろう。

この直前の特急西高島平行きは、鶴ヶ峰通過時点で立ち客が発生しているかどうかという程度の混雑率であった。西谷で快速横浜行きへの接続もあるを考えると、どちらかというとこのあと乗客が減ることが考えられ、後続で新横浜止まりの臨時列車がさらに空いていてもおかしくはないだろう。イベント開催時だからという混雑は、少なくともこの時間帯においては前後の列車でも目立っていなかったように思える。臨時列車、あるいは新横浜線の存在自体がどれほどのイベント参加客を助けたかは気になるところだ。

西谷駅4番線臨時16:10発発車前の新横浜方面時刻表
西谷駅4番線臨時16:10発発車後の新横浜方面時刻表
西谷駅4番線臨時16:10発発車前後の新横浜方面時刻表

ところで、この新横浜行きは西谷駅16:10発であるが、このあと羽沢横浜国大方面へは16:19にJR直通の列車が発車した後、16:25、16:31に東急方面の列車が連続して発車する。

16:19あるいは16:25からの列車設定を見ると、新横浜線の運転本数が増えたことを実感できるかもしれない。だが、改めて定期の時刻表を見直してみると、あることが分かる。

西谷駅4番線発の土休日夕方ごろの発車時刻表 15:59発の次の東急直通(定期列車)は16:25発、26分間隔である。

西谷駅4番線発の土休日夕方ごろの発車時刻表
15:59発の次の東急直通(定期列車)は16:25発、つまり26分間隔である。

先述の特急西高島平行きが西谷15:59発。この画像にない臨時列車が16:10発。次の東急直通は16:25発の和光市行き。16:03発・16:19発はあくまでJR直通新宿行きの列車である。

実はこのタイミング、定期列車としては東急方面で26分もの穴が空いている。日中は10分・20分間隔で、朝夕は本数が増えて多くのタイミングで10〜15分程度の間隔で列車が設定されているが、ここだけ何故か26分も新横浜方面へ行けない穴がある。これは、平日ダイヤでも同様だ。

(この点、羽沢横浜国大駅の東急方面発車時刻表を見た方がより分かりやすいであろう。なお、羽沢横浜国大駅時点では25分間隔である。)

なお、臨時列車はその後西谷始発として16:38発にもう1本設定されたが、そちらは16:31発・16:52発の21分間隔の間を埋めるような設定となっていることも分かる。

西谷駅4番線から地下へと向かう21109F臨時各停新横浜行き

西谷駅4番線から地下へと向かう21109F臨時各停新横浜行き
新横浜では通常接続しない東急線始発列車にも乗り継げる

時間帯の変わり目で一部系統の運転間隔が開くことはよくあるが、 東急方面日中平均毎時4本の設定(通常10分・20分間隔)に対して26分間隔は開きすぎのようにも思える。実際、イベント時でも混雑が問題となるようなほどでも無い程度の需要ではあり、また目的地が新横浜や日吉であれば西谷で特急西高島平行きを逃したとしても26分後の直通列車をそのまま待った方が一応早い*3という絶妙なバランス設定ではある。ただ、東急直通列車を狙うには最も罠なタイミングの一つなのも間違いなく、その意味でも今回の臨時列車には是正効果がある。

大和時点では直通列車続行になっているなど設定効果が薄くなりやすい・周知が直前すぎるなど様々な意味での改善の余地もある一方、新横浜でのイベント開催直前に西谷発基準で26分もの間隔があるのはさすがに心許ないという点で、今回の臨時列車設定についてはそれなりの妥当性があったと言える。そもそも日常の新幹線乗り換え用途なども考えると、できれば最低限の利便性として定期列車の時点で埋まっていて欲しい穴ではあるが、今後新横浜でのイベントの際に今回同様のタイミングに臨時列車が設定されるのかは注目したい。

*1:新テニスの王子様 テニプリフェスタ2023 U-17 WORLD CUP横浜アリーナ17時開場に余裕を持って間に合う設定の臨時列車となっていた。

*2:

2023年6月3日(土)、6月4日(日)新横浜駅周辺でのイベント開催に伴う相鉄線の臨時列車の運行について | 相鉄グループ (2023/5/29)

*3:東急武蔵小杉以遠へは横浜から東横特急への乗り換えが数分早い。もちろん、間に設定されたJR直通に乗車すればより早いが。