今回のダイヤ改正で地味に行先が変更となるのが、成田エクスプレスの「高尾発着」の2列車が「八王子発着」に変化する、というものである。
そんな高尾行きの成田エクスプレス(現在は50号・52号)の前後に発着する列車は、深夜帯に差し掛かる時間ということもあり、そちらも珍しい列車であることが多かった。
本記事では、特に「新宿駅の発車案内板」に表示されている「成田エクスプレス高尾行き」の写真を何枚か見ながら、その前後に表示されている列車との組み合わせを眺めてみたい。
2021年現在、新宿駅において成田エクスプレスは原則として5・6番線を発着する。高尾行きの成田エクスプレスはいずれも6番線を発車し、さらに連続する2列車であるため、6番線の発車標に高尾行き2本が並ぶことになる。
5・6番線という括りで見ると、2本のNEX高尾行きの間には、平日に限り東海道線方面に向かうホームライナー小田原23号が発車する。
なおホームライナーは今回のダイヤ改正で廃止となるが、ほぼ同時刻に特急湘南23号が設定されるため、この発車標には「成田エクスプレス八王子行き」「特急湘南23号小田原行き」並ぶことになる。
少し時代を戻すと、NEX高尾行きの時間帯には高崎線方面の通勤特急「スワローあかぎ13号前橋行き」が運転されていた。
2014年度は、スワローあかぎ13号が6番線を発車した後に成田エクスプレス50号高尾行きが入線する、というダイヤになっていた。
2015年度にはスワローあかぎ13号の運転時刻が繰り下がり、先に発車する成田エクスプレス50号が5番線入線となった。この時期にももちろんホームライナー小田原23号は運転されているため、5・6番線は慌ただしい21時台であった。
なお、新宿始発のスワローあかぎ13号は、2016年春のダイヤ改正で廃止されている。
今年度の写真に戻るが、高尾行きの成田エクスプレスは、新宿駅の「中央本線(特急)」の発車標にも表示されている。そのため、この表示板では「あずさ号」「かいじ号」「はちおうじ号」と高尾行きの成田エクスプレスが並ぶのが見られる。ダイヤ改正後の平日は、別の特急の八王子行きが約10分差で連続して走るということでもある。
ホームが違うので特に成田エクスプレスを利用する乗客は注意が必要だが、同じ案内板に表示される括りの列車であるというのは、言われてみればもっともである。
以上、新宿駅における成田エクスプレス高尾行きの発車案内板における表示を見てきた。深夜帯に差し掛かっていたりそもそもイレギュラーなルートを通る列車であったりという面があるため、各停車駅の発車標に表示されるだけでもその面白さが表れていたりする。
なおこの列車は、ダイヤ改正後は八王子行きに短縮となるが、それ以外はほぼ同様のものとして引き続き運転されていく。はちおうじ号と比べても料金が割高であったり、東京駅が地下ホーム発着で新宿まで遠回りルート、など使いづらい面もあるが、吉祥寺、三鷹、国分寺に停車したり渋谷やもちろん成田空港にも直通する列車であるなど、独特な列車であることには変わらない。