【2020夏臨】季節臨ながら平日にも運転!踊り子53・54号【53号平日東京7:50発】

2020年春のダイヤ改正で伊豆方面の特急列車の運転形態が整理され、毎日運転、土休日運転などとは別に、多客期のみ運転される踊り子「51号〜58号」の枠が用意された。

これまで51・52号55・56号57・58号についての記事を公開し、写真や乗車レポートを掲載してきた。本記事は残る「踊り子53号、踊り子54号」について簡単に解説したい。既に今夏の運転日数は僅かとなっているが、おそらく河津桜のシーズンなどにも運転されると思われる列車なので、今後の旅行や撮影計画の参考になれば幸いである。

※2021年2月追記

・2〜3月の河津桜シーズンは、踊り子53号のみ平日・土休日共にE257系で運転。(54号は年始のみ53号とセットで運転、185系。)

・2021年5月のゴールデンウィーク(連休)もほぼ同時刻にE257系で運転予定。

運転概要

今夏の運転日

7/23(木祝)-7/26(日)、7/31(金)-8/16(日)、8/22(土)・8/23(日)

多客期の土休日に運転される他、特に多くの利用が見込まれる時期には平日にも運転されてるのが特徴である。これは、ダイヤ改正前の踊り子103号(・156号)の頃からそのような運転日設定となっている。

充当編成

185系10両編成(指定席6両・グリーン車2両・自由席2両)

東京駅9番線に入線した185系特急踊り子53号伊豆急下田行き(2020/8/7)

東京駅9番線に入線した185系特急踊り子53号伊豆急下田行き(2020/8/7)

少なくとも今夏の時点では、従来通り185系10両編成が充当されている。

運転時刻と停車駅

踊り子53号 伊豆急下田行き

東京駅9番線に停車中の185系特急踊り子53号伊豆急下田行き(2020/8/7)

東京駅9番線に停車中の185系特急踊り子53号伊豆急下田行き(2020/8/7)

土休日:東京8:00→10:41伊豆急下田(所要時間2時間41分)

平日:東京7:50→10:41伊豆急下田(所要時間2時間51分)

途中停車駅:品川、横浜、小田原、湯河原、熱海、網代、伊東、伊豆高原、伊豆熱川、伊豆稲取、河津

 

平日と土休日とで東京発の時刻が違っているのが特徴である。平日は朝ラッシュのピーク時間帯で本数も多いため、横浜までは土休日より約10分早い時刻で運転される。小田原からは平日・土休日共に同時刻での運転となる。

踊り子54号 東京行き
運転停車した片瀬白田駅を出発する185系踊り子54号東京行き(2020/7/24)
運転停車した片瀬白田駅を出発する185系踊り子54号東京行き(2020/7/24)
運転停車した片瀬白田駅を出発する185系踊り子54号東京行き(2020/7/24)

伊豆急下田12:33→15:12東京(所要時間2時間39分)

途中停車駅:河津、伊豆稲取、伊豆熱川、伊豆高原、伊東、熱海、横浜、品川

 

踊り子54号は、伊豆をお昼頃に出るような時刻設定となっている。約30分前・約30分後にはそれぞれ定期列車の踊り子8号・踊り子10号が走るため、踊り子54号の運転日は「昼ごろに伊豆を出る選択肢が増える」と言うことができるだろう。

踊り子54号は踊り子53号とは違って、最低限の停車駅構成となっており、また実際に所要時間も短くなっている。これは、概ね旧「スーパービュー踊り子6号」のスジを受け継いでいるからと考えられる。ダイヤ改正前の踊り子156号もほぼ同様の状況で、さらに所要時間が短い時期もあった。

注目ポイント:踊り子53号は早朝東京発の定番便!?

特急踊り子53号は、平日朝ラッシュの最中に東京駅を発車する(2020/8/7)

特急踊り子53号は、平日朝ラッシュの最中に東京駅を発車する(2020/8/7)

踊り子53号は、踊り子51号(東京7:30発)が運転されない日であれば、東京発朝一番の踊り子号として運転されることになり、実際伊豆急下田には10時台のうちに着いてしまう列車である。そういった背景もあり、特に2月の河津桜のシーズンは平日でも(平日こそ?)一定の需要があるものと思われる。

踊り子53号(前身の踊り子103号)ならではの特徴・気をつける点としては、先述の通り平日・土休日で東京(・品川・横浜)の発車時刻が変わることである。上記写真の発車案内を見ても分かる通り、この時間帯は非常に多くの列車が東京駅9・10番線を発着する。東京発7:30〜8:30頃は朝ラッシュ時間帯であり、実際に平日の方が若干運転本数が多い時間帯でもある。少しでも9番線を使える時間帯を増やすために踊り子号を早く発車させている、と考えることもできる。

注目ポイント+:踊り子54号は元々レアなスジ?途中駅での普通列車追い抜きも

踊り子53号とセットで運転される踊り子54号だが、先述のようにダイヤ改正前は「スーパービュー踊り子6号」として運転されていたスジであった。しかしスーパービュー踊り子号として運転される機会が早々に減っていた列車でもあり、いつしか旧踊り子103号の折り返し列車として旧踊り子156号が設定されるようになり、この春のダイヤ改正でそれがより明示化されたと言える。

ややマニアックになるが、臨時列車で、かつ元々スーパービュー踊り子号のスジでもあった踊り子54号の運転時刻からは、面白い点をいくつか見い出すことができる。そのうち、普通列車の追い抜きに関する2点を紹介してみたい。

伊豆高原駅2・1番線に停車中のリゾート21黒船電車・キンメ電車(2020/6/28)

伊豆高原駅2・1番線に停車中のリゾート21黒船電車・キンメ電車(2020/6/28)
この日は踊り子54号運転日では無かったが、運転日には3番線を踊り子54号が通り抜ける。

1点目。伊豆高原駅(13:15発)で上り普通列車を追い越すダイヤ設定となっているが、その上り列車は日程によってはリゾート21の列車である。さらにこの時、下り列車もリゾート21の列車である可能性が高いスジである*1。つまり運が良ければ、踊り子54号に乗りながら、リゾート21同士がすれ違うのを横目に伊豆高原駅を通り過ぎることができるのだ。

※なお直近8/22・23については、黒船電車の車両故障の影響もあり、追い越す上り列車はリゾート21ではないないようだ。すれ違う下り列車の方がリゾート21キンメ電車という予定に変更されている*2

普段から横浜で待避時間が設定されている列車を追い越す踊り子54号(2020/8/2)
普段から横浜で待避時間が設定されている列車を追い越す踊り子54号(2020/8/2)
普段から横浜で待避時間が設定されている列車を追い越す踊り子54号(2020/8/2)

2点目。踊り子54号は、横浜駅普通列車を追い越す。この普通列車は、普段から横浜駅8番線(待避線)で5分程度停車するようになっており、踊り子54号が運転されない多くの日では空待避をしていることになる。(おそらく、上野東京ライン開通以降のダイヤ設定と思われる。)

ちなみに同じ臨時踊り子号でも、例えば踊り子58号に対しては運転日のみ大船待避・大船-品川間の発車時刻変更となる普通列車が設定されている。踊り子54号の方が運転頻度が高く、また平日にも運転されやすい列車であるため、その想定であらかじめ普段の普通列車の時刻も設定されているのかもしれない。

なお、下りの踊り子号で横浜で普通列車を追い抜く列車は比較的多いが、上りの踊り子号で横浜で普通列車を追い抜く列車は、現ダイヤでは(運転日の)踊り子54号のみのようである。小田原・平塚でも普通列車を追い抜くので、伊豆高原も含めれば4本の普通列車を追い抜く、体感的な面でも「速い」列車といえるであろう。

まとめ

以上、多客期に設定される踊り子53号・踊り子54号について、いくつかの面から解説してみた。この夏以降、いつ運転されることになるかは分からないが、おそらく2月の河津桜シーズンには、平日を含め運転される列車となると考えられる。

朝早くに伊豆へ向かいたい場合や、伊豆からの早めの帰りにより体感速度の速い・より(おそらく)空いている列車を狙いたい場合には、踊り子53号・踊り子54号を選択肢の一つとして考えてみるのも良いと思われる。

*1:ただし河津桜シーズンの土休日は、逆に一般車での運転となることが多いスジである。

*2:参考:リゾート21(伊豆急行公式HP)