引退記念装飾になる直前の700系に乗車してみた(2/5のぞみ400号)

東京駅18番線に停車中の700系、17番線に停車中のN700系(2020/2/5)

東京駅18番線に停車中の700系、17番線に停車中のN700系(2020/2/5)

1999年から走っていた700系が、2020年3月8日(日)の最終運転をもって東海道新幹線から引退する。2月12日(水)からはJR東海保有の700系に「SHINKANSEN Series 700 ありがとう 東海道新幹線 LAST RUN 2020.3.8」と書かれたヘッドマークやサイドステッカーの車体装飾がなされる*1

個人的にはN700系デビュー以降はほぼN700系に乗車していたものの、最後にもう一度700系にも乗りたい…と考えているうちについに定期運用から外れ、ラストランのシーズンとなってしまった。というわけで少しでも早い時期に撮影・乗車するため、短区間ではあるが臨時700系のぞみ号で新横浜→東京間を乗車した。JR東海の、来週には車体装飾される車両であった。

本記事は、その簡単なレポートである。

横浜駅

今回乗車した2020年2月5日(水)の夜は、のぞみ400号が700系運用であった。「のぞみ400号」として700系で運転されるのはこれが最後だったようだ。

のぞみ400号は新大阪17:56発・東京20:30着で、新大阪-東京間の所要時間は2時間34分である。なおN700系統一となるダイヤ改正後は、全のぞみ号が同区間を2時間30分以内で走ることになる。

新横浜駅改札内にある東京方面の発車標(2020/2/5)

横浜駅改札内にある東京方面の発車標(2020/2/5)

発車20分ほど前に新横浜駅の新幹線改札内に入り、のぞみ400号の発車案内を確認する。この案内板においては、N700系か700系かが分かる表記は特になかった。一観点として、700系にのみ残っている喫煙席は全て指定席であり、切符購入時に分かることなので、その点においても特別な情報はもはや必要なかったのかもしれない*2

新横浜駅の停車位置案内 10号車(2020/2/5)
新横浜駅の停車位置案内 14号車(2020/2/5)
横浜駅の停車位置案内 10号車と14号車(2020/2/5)

N700系以降は全車禁煙席だが、700系は現在、指定席の「10号車(グリーン車)・15号車・16号車」が喫煙席となっている。

柱に付属されている停車位置案内の掲示をよく見ると、ほとんどの号車では禁煙マークが貼られているが、10・15・16号車にのみ「N700系」との限定表記がある。東海道新幹線から700系および喫煙席は無くなるが、この掲示から「N700系」の文字、あるいはそのうち禁煙マーク自体も消えてしまったりするのだろうか。

新横浜駅1番線に到着した700系のぞみ400号東京行き(2020/2/5)

横浜駅1番線に到着した700系のぞみ400号東京行き(2020/2/5)

時刻は20:11、1番線に700系が入線する。カモノハシ型の元祖とも言えるが、全面灯が「鼻」のあたりにあるのがN700系とは異なる特徴の一つである。

この時、新横浜駅先頭16号車付近の撮影者は数名規模で、比較的平和な状態であった。

700系車内

短い区間だが指定席を取っていたので、16号車に乗り込む。

700系16号車デッキ(2020/2/5)

700系16号車デッキ(2020/2/5)

700系の車両に久々に足を踏み入れた。大袈裟かもしれないが、鉄道博物館などに展示されている新幹線車両(年代問わず)に入った時のような懐かしさを感じた。N700系とは製造年・走行年数は約10年違うが、それ以上の年代差があるような気もした。(どちらかというと、N700系が新世代感を維持し続けている、という印象はある。)

700系といえば、座席の上にある新幹線の顔に似た送風口(2020/2/5)

700系といえば、座席の上にある新幹線の顔に似た送風口(2020/2/5)

座席に就いてまず目に入ったのが、座席上にある送風口である。個人的にはこの形状が「新幹線(0系?)に似ている」ということで妙な親しみを持っている。(軽く検索した限りだが、そもそもこの形状が新幹線に似ている、という感覚自体あまり共通認識では無いのだろうか…?)

700系の車内電光掲示板(2020/2/5)

700系の車内電光掲示板(2020/2/5)

車内端部にある電光掲示板も、N700系のそれと比べるとだいぶ小さめであると改めて感じた。写真を見て改めて気付いたが、700系登場時には東海道新幹線にまだ品川駅が設置されていなかったと考えると、時の流れを感じずにはいられない。

700系車両先頭部の座席とコンセント(2020/2/5)

700系車両先頭部の座席とコンセント(2020/2/5)

品川を過ぎて座席が空いていたので、降り際に一瞬、先頭座席に着席した。700系は車両頭端部にのみコンセントが付いており、普通車は片側3席(2席)に対して1つしか付いていなかった。登場当時こそコンセントの設置は画期的だった側面もあるが、N700系登場以降は「コンセントのついていない車両」と認識されるようになってしまいがちだっただろうか。

700系喫煙席の吸殻入れ(2020/2/5)
700系喫煙席の吸殻入れ(2020/2/5)
700系喫煙席の吸殻入れ(2020/2/5)

つい先日も近鉄特急の喫煙席が全廃となったように、全国的に車両の禁煙化は進んでいる。今回いざ貴重な喫煙席に立ち入ってみると、喫煙中の乗客も少なくはなく、N700系の「喫煙コーナー付近の座席」よりも明らかな強い匂いを感じた。喫煙者かそうでないかで感想は全く異なるかもしれないが、改めて分煙化の効果を体感した。

東京駅18番線到着

新横浜から18分ほど経ち、20:30に東京駅に到着した。今回は18番線の到着であった。

のぞみ東京(2020/2/5)
回送(2020/2/5)
700系JR東海車両の方向幕(2020/2/5)

到着して1分も経たないうちに、方向幕の表示が「のぞみ東京」から「回送」に変わった。(撮影しそびれたが、「修学旅行」「試運転」などの表示を経由していた。)

LEDではない実物の方向幕も、新幹線では珍しいものとなった。同じ700系でもJR西日本車はLED表示である。

 

東京駅では(必ずしも当該列車に乗車していた乗客かどうかは分からないが)ビジネスマン風の男女を中心とした多数の乗客が、車両先端や700系ロゴ付近で記念撮影などを行っていた。ホーム上では「発車は20:47です、写真撮影の方は譲り合ってください」との旨の駅員放送が何回か聞こえた。車両先端部を中心に人は集まっていたが、曜日や時間帯もあってか、特に混乱が発生しているというような様子は無かったように思う。

車両側面のSHINKANSEN Series 700ロゴ(2020/2/5)

車両側面のSHINKANSEN Series 700ロゴ(2020/2/5)
7号車ドア付近(2020/2/5)
10号車ドア付近(2020/2/5)
7・10号車ドア付近(2020/2/5)

16・17番線ホームから撮影した18番線停車中の700系(2020/2/5)

16・17番線ホームから撮影した18番線停車中の700系(2020/2/5)

東京駅18番線からまもなく発車する700系回送列車(2020/2/5)

東京駅18番線からまもなく発車する700系回送列車(2020/2/5)

まとめ

今回、引退約1ヶ月前というタイミングで700系のぞみ号に乗車した。今でこそほぼ完全にN700系に統一されつつあるが、元々様々な形式の車両が走っていたのを改めて実感したような気がする。直近で西に行く際にもう一度乗車するかもしれない。

700系の残りの期間の運行スケジュールや各種イベントについては、JR東海「ありがとう700系」公式サイトをご参照いただければと思う。

*1:「ありがとう東海道新幹線700系」引退イベントについて(JR東海2019/12/11)

*2:より大きな違いの一つとしてコンセント設置率が挙げられるが、それについて駅の表示や放送で案内される記憶はあまりない。みどりの窓口でコンセントについて案内される様子なら最近耳にした。