【2021春改正】3/13相鉄(3)土休日朝にJR始発大和行き!?横浜発2連続快速も!相鉄新ダイヤの気になる列車設定

武蔵小杉駅に到着する相鉄12103F各駅停車海老名行き(2020/11/22)

武蔵小杉駅に到着する土休日7:47発相鉄12103F各駅停車海老名行き(2020/11/22)
ダイヤ改正後はこの1本だけ大和行きになる可能性が…?

先日発表された相鉄の2021年3月13日ダイヤ改正プレスリリースによると、ほぼ終日にわたってダイヤパターンが変更になることが明らかになった。さらに同日に発表されたダイヤ改正後の相鉄線内の詳細な時刻表を見ると、現ダイヤあるいは今までに無かったようなダイヤパターン・列車設定を発見することができた。

当ブログではダイヤ改正の概要、および8両編成の運転本数増加についても触れてきたが、本記事ではそれらの記事で触れられなかった細かい列車設定について、どちらかというとマニアックな視点にはなるかもしれないが、興味深い点を何点か取り上げたい。

土休日朝、JR新宿始発?の大和行き設定

今春のダイヤ改正は、2019年11月のJR直通運転開始後で実質初のダイヤ改正となる。プレスリリースレベルでも「日中のJR直通列車は全て相鉄線内を各停で運転」「土休日夕方のJR直通列車特急化」といった調整が加わることが発表になった。

だがそれ以外にも、プレスリリースに掲載するほどではないかもしれないが、JR直通開始後「初」の列車設定があることが時刻表から判明した。それは、土休日下り、羽沢横浜国大8:06発・大和8:24着の、大和止まりの列車である。今のところ、JR直通の定期列車は相鉄線内で海老名発着の設定であり、相鉄本線内の途中駅止まりの設定は(遅延・運休発生時等以外では)存在しなかったが、今回設定されることになったようだ。2月時点ではJR区間内の時刻が隠れているので詳細はまだわからないが、現ダイヤや列車番号記載を参考にする限りは、おそらくこれがJR線内・新宿始発の列車(現ダイヤで新宿7:25発)になるものと思われる。

土休日の大和発着は上記列車以外完全消滅、平日は逆に横浜20:35発各停大和行き設定

二俣川駅1番線に停車中の10707F各停大和行き(2019/11/27)

二俣川駅1番線に停車中の10707F各停大和行き(2019/11/27)
ダイヤ改正後は土休日の大和行きが激レアとなるが、平日夜の大和行きは1本復活する

ちなみに土休日の新時刻表を読む限り、相鉄線大和止まりの列車は、土休日はこのJR直通の1本のみとなるようである。現ダイヤで朝に3本、夕方に5本ある大和行きは設定がなくなり、本線系統下りはほぼ全列車が海老名行きとなる。また土休日は大和始発の列車が一切なくなる

一方で平日は、時刻や種別に若干の動きはあるが、上下とも数本程度ずつ大和始発や大和行きが設定されている。特に平日夕ラッシュ時は、現在大和行きは設定されていないが、横浜20:35発の各駅停車1本のみが大和行きとして設定されるようだ。

大和発着の列車に関しては、入出庫や運用本数の調整の意味合いもあると思われ、今後も各年度のダイヤごとに上下していくものと考えられる。

羽沢横浜国大行き終電2本はやや遅めに。朝の羽沢横浜国大発西谷行きも増加

海老名駅2番線に停車中のE233系各駅停車羽沢横浜国大行き(2020/1/21)

海老名駅2番線に停車中のE233系各駅停車羽沢横浜国大行き(2020/1/21)

プレスリリース内では早朝時間帯の「羽沢横浜国大駅発西谷行き」の列車本数が増えることに言及されており、平日は3→5本、土休日は3→4本に増発される。時刻表を見るとその時刻も変更されており、現ダイヤでは平日は羽沢横浜国大「5:38、6:00、6:25、(7:07海老名行き)」発、土休日は羽沢横浜国大「5:55、6:20、6:45、(7:07海老名行き)」発と曜日で時刻がズレていたのが、ダイヤ改正後は平日・土休日で時刻が揃って羽沢横浜国大「5:38、6:00、6:22、6:42、7:02(土休日は海老名行き)、(平日のみ7:22海老名行き)」発となる。

そしてその反対、終電付近の海老名・西谷始発「羽沢横浜国大行き」の運転時刻も、やや後ろ倒しとなるようだ。現在は平日「海老名始発22:32(西谷22:58発)、西谷23:29始発」、土休日「海老名22:41始発(西谷23:06発)、西谷23:30始発」と何故か平日の方が若干早くなっているが、ダイヤ改正後は平日・土休日が揃い、時刻も「海老名22:42始発(西谷23:07発)、西谷23:35始発」と少々後ろ倒しになる。

なお現ダイヤでは、これらの列車にJR車であるE233系が充当されているが、ダイヤ改正後もE233系が充当されるのか、あるいは相鉄12000系や非JR直通車が充当されるのかなども気になるところである。

横浜付近での「2本連続快速」が急増!?

現ダイヤ平日夕ラッシュ時の星川駅発上り2連続快速(2020/9/3)

現ダイヤ平日夕ラッシュ時の星川駅発上り2連続快速(2020/9/3)
ダイヤ改正後は、逆に下り星川発でこの現象が発生する

今回のダイヤ改正で、日中のパターンダイヤ時は急行やいずみ野線方面の快速が無くなり、代わりに海老名発着の快速が大増発となる。また平日夕ラッシュ時下りは、各駅停車のうち20分に1本が快速に置き換わる。時刻表を見る限り、プレスリリースに掲載されていない範囲でも快速列車(特に海老名方面)の設定が拡大し、ついには(横浜-二俣川間において)「2本連続で快速」という設定が多数誕生することになった。

実は現在のダイヤでも快速が2連続で走る区間があり、平日夕ラッシュ時上りの星川→横浜間がそれに相当する。連続する2本目の快速が星川で各駅停車を追い抜くことでそのようなダイヤになっているのだ。この点については、ダイヤ改正後は平日夕ラッシュ時の上りは急行・快速が完全に交互に走るような形になるため、解消されるようだ。

平日夕ラッシュ時下りダイヤ(星川発車時点)

しかしプレスリリースをよく見ると、平日夕ラッシュ時下りダイヤは、横浜発が「急行・各停・急行・快速・各停・快速」の順となっており、「快速・各停・快速」のうち前者の快速は星川で接続はないが、後者の快速は星川で先行の各停を追い抜く。つまり、星川駅発車時点では2本連続で快速が発車することになるのだ。なお、前者の快速は湘南台行き、後者の快速は海老名行きであり、海老名行きは西谷でJRからの特急海老名行きに接続する。

横浜駅発時点での快速2連続

それだけでなく、「横浜発時点で2本連続快速」というパターンが何箇所か存在した。以下、実際に時刻表で発見した具体例である。

平日横浜7:34発(海老名行き)、7:38発(湘南台行き)

 この設定で面白いのは、横浜7:31発の各停(湘南台行き・8両)が、星川で快速を2本待避することである。星川での優等2本待避は朝ラッシュ時には珍しくないが、大抵は片方が急行である。

 そして前者の快速海老名行きは西谷でJRからの特急海老名行きに接続し後発となるため、この快速2本連続は二俣川駅まで続くことになる。

平日横浜20:47発(湘南台行き)、20:54発(海老名行き)

 平日夕ラッシュ時のパターンダイヤを抜け、優等列車の本数が落ち着いた頃に、突如として2本連続の快速列車設定がある。

 各停がこの前後に設定されており、横浜20:43発(湘南台行き・8両)、20:55発(湘南台行き)である。2本の快速のうち前者のみが星川で各停を追い抜くため、以降は快速2本連続は解消され、また各停同士の運転間隔が等間隔に近づく。

 なお後者の快速海老名行きは、やはり西谷でJRからの特急海老名行きに接続となる。

土休日横浜10:18発(海老名行き・8両)、10:20発(湘南台行き)

 そして土休日の午前中には、横浜駅発時点での快速2分続行が設定された。前者が海老名行き、後者が湘南台行きである。前者が急行や特急の海老名行き、というような設定ならこれまれでもしばしば見られてきたものである。

 さて10:18発の快速海老名行きだが、この列車に関しては西谷でJRからの特急に接続するわけではなく、あるいは羽沢横浜国大方面の列車への接続が良いわけでもない。その意味では他の例と比べても「急行で良かったのでは」感が強い列車になるのだが、土休日午前中下りは横浜8:38発が最後の急行列車となっており、時間帯的に種別設定の分かりやすさを求めたと考えることもできる。あるいは、直前に走る各停が二俣川止まりであり、星川・西谷・鶴ヶ峰から海老名方面への直通需要を拾う機能も果たしていると言える。(また、どちらかというと後者の快速湘南台行きの方が時間帯的にイレギュラーであり、運用等の都合で「各停湘南台行き」の代わりに「各停二俣川行き」+「快速湘南台行き」として設定された、という見方もできる。)

 

なお上りでは、二俣川-横浜間では「2本連続快速」は(筆者の見落としがなければ)設定されていないが、「海老名発2本連続快速」は日中のパターンダイヤに加え夕ラッシュ時直前にもよく見られ、平日海老名17:08発・17:13発のように5分間隔で快速横浜行きが走るシーンもある。(ちなみにこの2本は横浜到着時点で10分開くことになる。後者が西谷で特急新宿行きを待つというのが大きい。)

22時台から存在!湘南台始発の各停二俣川行き

一時期は日中にも設定されていた湘南台始発の二俣川行き(8702F回送@二俣川,2014/4/27)

一時期は日中にも設定されていた湘南台始発の二俣川行き(8702F回送@二俣川,2014/4/27)
さすがに日中の復活ではないが、22時台前半という早めの時間に設定されることに

そして最後に、深夜のいずみ野線上り列車の変化について言及したい。

現ダイヤでは、早朝(いずみ野始発)及び深夜帯(23時以降)にのみ二俣川行きが設定されているが、ダイヤ改正後は平日・土休日ともに「湘南台22:03発・22:53発」と、今までよりも早めの時間帯に二俣川止まりの列車が設定されている。これは、終電繰り上げ等に伴う深夜帯の本数減に伴い、横浜口の運転本数を絞るため結果的に設定されたものと思われる。夕ラッシュ時間帯以降はいずみ野線で大幅に減便が行われ、上り21時台以降は現在の毎時6本程度(平日)から毎時5本へと減便するが、横浜直通の列車はさらに絞られることになった。

特に湘南台22:03発の列車については二俣川駅に22:18に到着後、横浜方面の先着列車(各停)が発車するのが8分後の22:26とやや時間が開く。ただしその横浜行きの入線は4分後(22:22)であり、JR直通の最終列車・新宿行き(22:25発)の待避を行う形となっている。

まとめ

以上、ダイヤ改正後の時刻表を一通り読んで、現ダイヤとは違う気になる列車設定についていくつか列挙してみた。

大和発着の列車などについては今まででもダイヤ改正ごとに傾向が異なっていたものであり、今後もさらに傾向が変わる可能性が十分にある。その一方、終電繰り上げや平日・土休日の深夜帯ダイヤほぼ統一化など時勢に関わる列車設定の傾向も多少見て取れる面があった。また、全体的に「快速」という種別の存在感が大きくなることが、プレスリリースのみならず具体的な時刻表を見てもよく分かった。

東急線直通開始後は種別・行き先の組み合わせがさらに変化していく可能性もあるが(少なくとも直通先の分だけ大いに増える)、大和行きや二俣川行き、西谷行きなど途中駅止まりの設定、あるいは大和始発の列車の設定については、引き続き注目していきたい。