下りサンライズ号東京22:00発・横浜22:24発時代の車窓の想い出

運転開始から23年近くもの長い間、東京駅22時ちょうど発であった「サンライズ瀬戸・出雲号」の東京駅発車時刻が、このダイヤ改正で21:50発に繰り上がる。22時発の座は、新たな通勤特急・湘南15号に譲ることになった。また、横浜駅の発車時刻も22:24から22:15に繰り上がることになる。

下りサンライズ号のダイヤ改正後の運転時刻は、熱海駅以降は概ね今まで通りとなっており、横浜-熱海間の所要時間が約10分増加することになる。おそらく、小田原までは概ね現在の東京21:50発・通勤快速(土休日快速アクティー)のスジをなぞるような形だと思われる。

さて本記事では、寝台特急サンライズ号が東京22:00発、横浜22:24発として運転されてきた時期における、いくつかの駅の停車・通過時の様子を振り返ってみたい。

東京(22:00発。改正後は21:50)

21:35頃、9番線に入線。改正後はどうなる?

21:35頃、東京駅9番線に入線した285系サンライズ瀬戸・出雲号(2020/6/20)

21:35頃、東京駅9番線に入線した285系サンライズ瀬戸・出雲号(2020/6/20)

東京22時発だった寝台特急サンライズ瀬戸・出雲号は、21:30発の湘南ライナー13号が発車した直後、21:35頃にサンライズ号が入線し、25分ほどホームに停車する。この間に乗客は写真撮影をしたり、車内で飲食するための買い物を行う姿がよく見られた。

なおダイヤ改正後、9番線をサンライズ号前に最後に発車するのは21:15発の特急ときわ88号となる見込みである。サンライズ号の入線もその分早まるのか、それとも今まで通り21:35頃なのか、気になるところだ。

発車直前、10番線21:50始発の通勤快速

サンライズ号の直前5本の発車案内、平日21:50には通勤快速(2017/4/28)

サンライズ号の直前5本の発車案内、平日21:50には通勤快速(2017/4/28)

サンライズ号が発車を待つ中、特に上野東京ライン開業以降は色々な列車が10番線を発車して行くようになったが、21:50には始発の通勤快速(土休日は快速アクティー)が発車していった。

ちなみに通勤快速はサンライズ号が停車する横浜を通過する一方、サンライズ号から小田原までギリギリ逃げ切れる程度であったため、何かの間違いでこの通勤快速に乗って品川を出てしまうと、後続のサンライズ号には乗れなくなってしまう仕様であった。

通勤快速、一時期はE217系運用だった!

東京駅10番線に停車中のE217系東海道線色通勤快速小田原行き(2010/8/10)

東京駅10番線に停車中のE217系東海道線色通勤快速小田原行き(2010/8/10)

そんな東京駅21:50発の通勤快速であるが、上野東京ライン開業直前の数年間、この列車にはE217系東海道線色の車両が充当されている時期があった。

東京駅からサンライズに乗車するとき、発車10分前までE217系を見て、また小田原駅通過時にもう一度終点に到着したE217系を見る、という光景になる時期があった。

上野東京ライン開通後は、常磐線との並びも!

東京駅9番線停車中のサンライズ出雲号の個室内から見た、8番線停車中の常磐線直通列車(2016/4/16)

東京駅9番線停車中のサンライズ出雲号の個室内から見た、8番線停車中の常磐線直通列車(2016/4/16)

上野東京ライン直通開始後、東京駅7〜10番線は折り返し列車・始発列車だけでなく、上野東京ラインとして東京をスルーする列車が多くなった。

サンライズ号の入線〜発車にかけては、常磐線方面に直通するE231系E531系の列車や、E657系特急ひたち号・ときわ号等も双方向に入線する。西へと旅立つサンライズ号から常磐線の列車を眺めるのは、なんとも不思議な気分と言える。

もちろん、サンライズ号と常磐線方面の列車自体の並びはダイヤ改正直後でも続くことであるが、細かな変化はある。例えばサンライズ号の直前に東京駅を発車する品川方面の列車は、常磐線から直通してきた快速品川行き(21:57発)では無くなり、ひたち28号品川行き(21:46発)となる。また、サンライズ号が東京駅を出発して最初にすれ違う列車が特急ときわ号(21:53発ときわ87号高萩行き)になったりもする。

横浜(22:24発。改正後は22:15)

サンライズ瀬戸・出雲号到着10分ほど前の横浜駅6番線発車標(2017/8/9)

サンライズ瀬戸・出雲号到着10分ほど前の横浜駅6番線発車標(2017/8/9)

個人的にはサンライズ号には横浜駅から乗車することも多く、「22:24発」という時刻には非常に愛着を持っていた。

サンライズ号到着の少し前から5・6番線ホームで待っていると、普通列車はいろんな行き先の列車が10分ほぼ等間隔で到着し、また平日ならサンライズ号の30分前に185系湘南ライナー、10分前には通勤快速が目の前を高速で通過していった。

ダイヤ改正後でも平日ならE257系の特急湘南号が通過していく(しかも多くの場合5番線に普通列車を待避させながら)のだが、サンライズ号の付近は50分前・10分後なので、サンライズ号を待ちながら目の前を高速で通過する列車を眺める、という光景は実質無くなると言ってもよいかもしれない。(ちなみに、後ろを振り返れば京急のウイング号が20分おきに通過している。)

昔は上り373系普通列車も!?サンライズ待ちで眺めた車両


また、もうだいぶ前のことにはなるが、22時過ぎには東海道線上りホームに373系普通列車が到着していた。この車両は、東京駅で折り返し定期のムーンライトながら号になる車両でもあった。

ごく最近だと、10番線には同じく22:24発の横須賀線総武快速線直通の佐倉行きが停車するが、この列車にE235系が充当される機会が多かったりもした(平日は最近たまに、土休日は今年に入ってほぼ毎日)。

ダイヤ改正後だと、9番線の成田エクスプレス52号大船行きと同時発車するダイヤとなっている。もしかしたら鶴見駅付近〜戸塚(NEX停車駅)にかけて約15分以上もの間、サンライズ号と並走することがあるかもしれない。

大船

先行の普通列車を追い抜き!

サンライズ号大船駅通過時、進行方向左には4番線で待避中の普通列車が見える(2020/11/19)

サンライズ大船駅通過時、進行方向左には4番線で待避中の普通列車が見える(2020/11/19)

横浜駅を発車して約15分。大船駅では、先行の普通列車(熱海行き)を追い越していた。進行方向左側の部屋を確保した場合、車窓からは大船駅4番線で待避中の普通列車を眺めることが出来た。

改正後、運転時刻が10分早まっても、やはり大船駅普通列車(平塚行き)を追い抜くダイヤとなっているようだ。

平塚

2本前の平塚止まりの普通列車を横目に

サンライズ出雲号車内から、進行方向右側・通過する平塚駅を眺める(2016/4/16)

サンライズ出雲号車内から、進行方向右側・通過する平塚駅を眺める(2016/4/16)

今度は進行方向右側の個室から見える光景だが、平塚駅ではさらに先行の普通列車が到着した姿を見ることが出来た。

ダイヤ改正後は、おそらくこの辺りが減速区間となり、平塚駅の待避線に先行の普通列車を見ることは出来なさそうである。

小田原

先行の小田原止まりの通勤快速(快速アクティー)を横目に

サンライズ出雲号車内から、進行方向右側・通過する小田原駅を眺める(2014/5/23)

サンライズ出雲号車内から、進行方向右側・通過する小田原駅を眺める(2014/5/23)

そして23時過ぎ、サンライズ号は小田原駅を通過する。

進行方向右側には、東京駅を10分前に出発した通勤快速または快速アクティーが到着した姿が見られる。

ダイヤ改正後は、先行の小田原止まりの普通列車が見られるものと思われる。

熱海(23:21着・23:23発)

会社境界の乗務員交代駅。奥には留置中の185系も!

夜間帯、熱海駅に留置されている185系10両編成(2020/2/10)

夜間帯、熱海駅に留置されている185系10両編成(2020/2/10)

そして23:21、熱海駅に到着し、2分ほど停車したのちJR東海区間に向けて発車する。

熱海駅では、進行方向左側1番線に伊豆急行8000系が留置されているほか、5番線のさらに奥の位置には、翌日の湘南ライナーに用いられると思われる185系が留置されている姿を見ることが出来た。この光景も、今回のダイヤ改正で変わることになるだろう。

サンライズ号熱海停車時に奥に見える、留置中の185系10両編成(2020/11/19)

サンライズ号熱海停車時に奥に見える、留置中の185系10両編成(2020/11/19)

サンライズ号熱海停車時に奥に見える、留置中の185系10両編成(2014/5/23)

サンライズ号熱海停車時に奥に見える、留置中の185系10両編成(2014/5/23)

数年前は踊り子号にもブロック塗装編成があり、サンライズ号に毎年のように乗りながらにして185系の塗装の変化を楽しむこともできた。

今度からは、E257系が留置されたりするのだろうか。