東急にも東武にも直通していた!東京メトロ日比谷線03系の想い出

長野電鉄に譲渡された東京メトロ03系の運行開始延期*1というニュースも出たばかりだが、今年2月に日比谷線を長らく走っていた03系が東京メトロからひっそりと引退した。地方への譲渡も多く、熊本電鉄で既に運行開始している他、長野電鉄の他に北陸鉄道でも運行予定である。

そんな東京メトロ03系は、日比谷線の車両として東武伊勢崎線や、一昔前までは東急東横線にも乗り入れていた。中目黒駅や南千住-北千住間も含め、地下鉄車両ながらも青空の下を走ることが多かった車両でもある。

本記事では、03系の日比谷線車両としての活躍を、少しだけ振り返ってみたい。

終点北越谷駅に到着した東京メトロ日比谷線03-115F(2007/5/26)

終点北越谷駅に到着した東京メトロ日比谷線03-115F(2007/5/26)

日比谷線は「中目黒-北千住」間の運転だが、東武伊勢崎線または東急東横線(副都心線直通開始前)のいずれかに直通する列車も多かった。両方に直通している時期でも、どちらかと言えば東武方面の方が直通本数・多くなっていた。

東武線方面では、北千住駅で3階の専用ホームに着いた後、北越谷までは複々線内側の緩行線の線路を走っていた。北越谷止まりの列車も設定されていた一方、この先複線区間東武動物公園などまで運転される列車も多かった。

元住吉駅2番線に停車中の東京メトロ日比谷線03-124F菊名行き(2011/11/18)

元住吉駅2番線に停車中の東京メトロ日比谷線03-124F菊名行き(2011/11/18)

北千住(東京メトロ日比谷線内)発着の列車の一部(日中30分毎・平日夕ラッシュ時15分毎・一部東急1000系)は、2013年3月15日までは東急東横線にも直通していた。03系は18m車3ドア(一部列車は5ドア車両を含む)8両編成だったので、東横線を走る他の車両(当時・20m車4ドア8両編成)とは乗車位置が違い、また編成の全長も短いものであった。

最長で菊名まで乗り入れていたが、目黒線日吉延伸工事前は、日中を中心に日吉発着の列車も多かった。元住吉駅高架化前は元住吉発着、高架化後は武蔵小杉発着も入出庫の関係で一部存在していた。

東横線に特急や通勤特急が走るようになってからは、日吉あるいは元住吉にて特急や通勤特急の待避・通過待ちをするケースが日中〜夕ラッシュ時間帯には多かった。

恵比寿駅に停車中の東京メトロ日比谷線03-123F南栗橋行き(2015/5/30)

恵比寿駅に停車中の東京メトロ日比谷線03-123F南栗橋行き(2015/5/30)

東横線への直通が廃止となり南側は最長でも中目黒折り返しとなった後は、東武伊勢崎線直通列車としての性格がより強化された。その象徴の一つとして、東横線副都心直通開始と同じダイヤ改正のタイミングで最長で南栗橋まで直通するようになったことが挙げられる。南栗橋へは現在、主に半蔵門線からの直通列車と日比谷線からの直通列車が走っている。

中目黒駅では元々直通していた東横線と同一ホーム(対面乗り換え)であったが、つい先日まで東横線を走っていた車両が「南栗橋」という行き先を表示していたのを見ると、実用性とは無関係に直通ロマンを掻き立てられたものだ。

 

その後、日比谷線にはメトロ13000系や東武70000系といった20m車7両編成の車両が投入・統一されるようになり、今年3月引退の東武20000系と共に18m8両編成であったメトロ03系は日比谷線を撤退したのであった。