東急8000系の東横線引退から12年

「謹賀新年」のプレート付きで日中特急運用に就く8017F(2008/1/2@横浜)

「謹賀新年」のプレート付きで久々の日中特急運用に就く8017F(2008/1/2@横浜)

8000系が東急を引退して12年になる。東横線では8017Fが2008年1月13日にさよなら運転を行い、大井町線では8001Fが同年2月22日まで運用に就いていた。

8000系はかつては東横線でも主力の車両として活躍し、みなとみらい線への乗り入れも果たしたものの、2006年9月のダイヤ改正以降は原則として平日午前中のみの運用となり、2008年1月の引退までの約1年半はほとんど姿を現さなかった。

本記事では、東横線で最後まで残っていた8017F、8019F、8039Fの3編成の晩年の姿をふりかえりたい。

主に朝のみ運用に就く8000系(2007年)

前面も赤帯が撤去された8039F(2007/4/18@日吉)

前面も赤帯が撤去された8039F(2007/4/18@日吉)
A29運用(当時)は朝ラッシュ時に計1往復で入庫する運用だった。

折り返し各停渋谷行きとなる8019F(2007/6/20@元町・中華街)

折り返し各停渋谷行きとなるA29運用8019F(2007/6/20@元町・中華街)
8017F、8019Fは前面がいわゆる「歌舞伎」塗装であった。

2006年9月25日のダイヤ改正以降、東急8000系は原則として平日の朝時間帯に東横線内を各駅停車で1〜2往復程度するだけの運用にのみ就くようになった。

珍しく日中運用に就いた8017F(2007/4/27@日吉)

2006/9/25以降では珍しく日中運用に就いた8017F(2007/4/27@日吉)

特急として運転された8019F(2017/6/4@横浜)

2006/9/25以降では珍しく特急として運転された8019F(2017/6/4@横浜)

しかしダイヤ乱れが発生した場合などは、昼過ぎに車両変更されるまでは通常の運用に就くこともあった。その場合、優等列車として運転される場合もあった。

8039Fさよなら運転(2007/6/30・7/1)

急行プレートを装着した8039F(2007/6/30@馬車道)
「急・元住吉」の幕を出す8039F(2007/6/30@馬車道)
急行プレートを装着し、急行元住吉行きでは「急・元住吉」の幕を出す8039F(2007/6/30@馬車道)

残った8000系3本のうち、まず赤帯が撤去されていた8039Fが運用を離脱した。

東横線での最後の運転は「リバイバル急行8000系号」で、急行プレートや専用幕の用意、特急運転開始前の急行に適用されていた50番台の運用番号(55運行)など復刻的な状態で、2007年6/30・7/1の各日2往復程度運転された。元住吉駅高架化で消滅した「急行元住吉行き」もこの日限りで復活した。

8019F運用撤退(2007/12)

「引退」のプレート付きで元住吉検車区に入庫中の8019F(2007/12/17)

「引退」のプレート付きで元住吉検車区に入庫中の8019F(2007/12/17)

8019Fは、2007年12月中に最終運用に就き、長津田車両工場へと回送された。最終運転時には、双方の前面に「8019F引退」「さようなら8019F」と記されたプレートが装着されていた。編成自体のさよなら運転などはなく、ひっそりと姿を消した編成である。

8017Fさよなら運転(2018/1/13)

さよなら運転を終え、一旦武蔵小杉駅に向かう8017F(2018/1/13)
さよなら運転を終え、元住吉検車区へ回送中の8017F(2008/1/13)
さよなら運転を終え、武蔵小杉経由で元住吉検車区へ回送中の8017F(2008/1/13)

東横線に最後まで残った8000系は歌舞伎色の8017Fだった。2008年1月1・2日には(運用変更となる昼過ぎまで)特急として往復する運用に就いたが、その後程なくして通常運用から外れた。最後の運転は2008年1月13日に行われた8000系さよなら運転だった。前後それぞれ特別なヘッドマークが用意され、39運行の臨時特急として運転された。通常運用の特急を待避するため一旦「元住吉行き」として元住吉駅にも停車した。最後は元住吉駅高架下の踏切で長い警笛を鳴らして入庫したのが印象的だった。

その後も伊豆急行を走る8000系

熱海駅に停車する伊豆急8000系(2019/2/23)

熱海駅に停車する伊豆急8000系(2019/2/23)
クモハ先頭8157は、元々東急8019Fの5両目に組み込まれていたデハ8138

東急8000系の一部*1は先頭車を中心に伊豆急行に譲渡・改造されており、伊豆急行8000系として今も熱海-伊豆急下田間で活躍している姿が見られる。

伊豆急クハ8018(2019/2/23@熱海)
東急クハ8019(2007/6/4@横浜)
伊豆急クハ8018は元東急クハ8019
同じ車体の新旧を比較

東横線で最後まで走っていた8017F・8019Fからも16両中計5両が伊豆急に転属となり、中間車が先頭車化改造されたものもある。

185系や251系と並ぶ伊豆急8000系(2020/1/2)

185系や251系と並ぶ伊豆急8000系(2020/1/2@伊豆急下田)
クモハ8158はデハ8136として8017Fの5号車だった車両であり、先述のクハ8018の反対側の先頭車だ。

元東急の伊豆急8000系スーパービュー踊り子251系や踊り子号185系が並ぶ姿もそろそろ見納めとなる。

*1:廃車解体となった車体も多く、また8039Fなどはインドネシア譲渡となっている。