【2020春改正】都心部で見られなくなった行先

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2020年3月14日、JRをはじめとした各社でダイヤ改正等が行われる。それを前に、3月13日あるいはそれ以前(休日ダイヤの3月8日など)をもって運転終了となる列車がある。スーパービュー踊り子号や700系新幹線のような引退車両もある一方で、ある「行き先」が(ある列車・区間・種別・車両では)見られなくなったケースも多く存在する。

本記事では、特に都心部の駅(山手線圏内、あるいは横浜など)を走っていたがダイヤ改正前に見納めとなった列車(行き先・列車名)の方向幕・行先表示を紹介してみたい。決して網羅的ではなく、また様々な角度からの紹介にはなるが、各路線の改正内容の一側面が少しでも伝われば幸いである。

 「あずさ2号」(E353系)

本改正でひとまず消滅することになる「あずさ2号」(2019/12/25)

本改正でひとまず消滅することになる「あずさ2号」(2019/12/25)

ダイヤ改正では、あずさ号・かいじ号の号数付番ルールが変わり、あずさ・かいじ共に1号/2号から始まっていたのが、両列車共通で1号/2号からの付番に改められる。富士回遊号も、連結するかいじ号(ダイヤ改正後はあずさ号の場合もある)に依存して号数が変わる。

究極的にはほぼ全列車の号数が変更になるのだが、とりわけ歌謡曲のタイトルとしても有名な「あずさ2号」という列車が無くなることに注目が集まっていた。「2号」はかいじ号の上り初電に譲り、松本始発初電のあずさ2号は実質「あずさ4号」に変更となる。

中央線各駅停車(E233系・オレンジ色帯)

中央線の輸送形態は、将来的なホームドア設置駅増加・ホーム延長等の面から、本改正を機に大きく変わることになる。

オレンジ色(E233系)の中央線は、終日「快速」として運転され、御茶ノ水-三鷹間で各駅停車の線路を走ることは無くなる。このため、E233系の行き先表示器において黄色背景で表示される「各駅停車」の東京行きや高尾行き等が見納めとなる。

各駅停車東京行き

E233系各駅停車東京行き(2020/1/9)

E233系各駅停車東京行き(2020/1/9)

各駅停車武蔵小金井行き

E233系各駅停車武蔵小金井行き(2020/2/23)

各駅停車高尾行き

E233系各駅停車高尾行き(2020/2/23)

E233系各駅停車高尾行き2(020/2/23)
車両写真(東京駅2番線)
「各 駅 停 車」
「各駅停車 高尾」
東京駅2番線に停車中の「各駅停車」高尾行き(2020/2/23)

中央・総武線各駅停車(E231系・黄色帯)

早朝・深夜の中央・総武線各駅停車は、一部列車が武蔵小金井や立川まで乗り入れていた。しかし本改正で快速・各駅停車の輸送体系が完全に分離されるため、「黄色い列車」の武蔵小金井行き・立川行きは消滅することになる。

立川行き

E231系各駅停車立川行き(2020/1/23)

E231系各駅停車立川行き(2020/1/23)

武蔵小金井行き

E231系各駅停車武蔵小金井行き(2020/1/23)

E231系各駅停車武蔵小金井行き(2020/1/23)

御茶ノ水行き(実は改正後も逆方向で残る)

E231系各駅停車御茶ノ水行き(2020/1/23)

E231系各駅停車御茶ノ水行き(2020/1/23)

早朝深夜に行われていた千葉方面の列車の御茶ノ水折り返しも本改正で無くなる。

ただし改正後は、千葉方面からではなく「三鷹始発の」御茶ノ水行きが東中野-御茶ノ水間への(各駅停車の)終電として設定されるため、今までとは違う駅で「御茶ノ水行き」を見ることが可能にはなる。(ただし特定の時間帯中ずっと→終電付近の1本なので、目撃難易度は相当上がるとも言える。)

マリンエクスプレス踊り子号(E259系)

当ブログの他の記事で何度か書いてきたが、2012年から成田エクスプレスの車両を用いて運転されてきた臨時特急・マリンエクスプレス踊り子号は、春季の臨時列車として設定されておらず、また同時間帯の運転をサフィール踊り子号の臨時列車に譲ったことから、本改正前(下り3/8・上り3/6)で実質的に運転終了となった可能性が高い。

下り・伊豆急下田行き

特急マリンエクスプレス踊り子号伊豆急下田行き(1号車)(2020/2/11)

特急マリンエクスプレス踊り子号伊豆急下田行き(1号車)(2020/2/11)

上り・東京行き

特急マリンエクスプレス踊り子号東京行き(5号車)(2020/3/2)

特急マリンエクスプレス踊り子号東京行き(5号車)(2020/3/2)
発車標(横浜駅7番線)

マリンEXP踊り子76号到着直前の横浜駅7番線発車標(2020/3/2)  一般の列車とは表示フォーマットが違う

マリンEXP踊り子76号到着直前の横浜駅7番線発車標(2020/3/2)
一般の列車とは表示フォーマットが違う
車両写真(東京駅8番線)
東京駅8番線に到着したE259系マリンエクスプレス踊り子76号(2020/3/2)
東京駅8番線から間もなく回送されるE259系(2020/3/2)
東京駅8番線に到着したマリンエクスプレス踊り子76号・間もなく回送されるE259系(2020/3/2)
改正後(月木金土日)は、同時間帯に臨時サフィール踊り子4号が到着する

成田エクスプレス「横浜行き」(E259系)

成田エクスプレス26号横浜行き(1号車)(2020/2/23)

成田エクスプレス26号横浜行き(1号車)(2020/2/23)

横浜・大船方面の成田エクスプレスは、1時間に1本程度に減便となる代わりに、1日に数本設定されていた「横浜行き」が無くなり全て「大船行き」となる。

横浜駅6番線(東海道線)に到着する列車も

終点の横浜駅に到着した成田エクスプレス26号(横浜駅6番線・2020/2/23)

終点の横浜駅に到着した成田エクスプレス26号(横浜駅6番線・2020/2/23)

成田エクスプレスは原則として横須賀線を通るが、下り成田エクスプレス26号(横浜15:16着)、成田エクスプレス30号(横浜16:16着)は何故か東海道線ホームである6番線に転線して降車扱いを行っていた。

ときわ83号「いわき行き」(E657系)

E657系ときわ83号いわき行き(品川・2020/3/13)

E657系ときわ83号いわき行き(品川・2020/3/13)
ダイヤ改正後は高萩行きになる

品川駅9番線の発車標に表示される「ときわ83号いわき行き」(2020/3/13)  次のひたち29号と連続でいわき行きであった

品川駅9番線の発車標に表示される「ときわ83号いわき行き」(2020/3/13)
次のひたち29号と連続でいわき行きであった

品川始発「日立行き」(E531系)

常磐線(上野東京ライン)日立行き(品川・2020/3/13)

常磐線(上野東京ライン)日立行き(品川・2020/3/13)

ときわ83号同様、運転区間が短縮となる常磐線の列車である。

品川18:53(土休日18:54)発で設定されていた日立行きは、ダイヤ改正後は勝田行きとなり、水戸駅での対面乗り換えで日立行きに接続する形態となる。

参考:2020年3月ダイヤ改正について(JR東日本水戸支社・2019/12/13)

発車標(品川駅コンコース)

品川駅コンコース上の上野東京ライン(常磐線)発車標(2020/3/13)

品川駅コンコース上の上野東京ライン(常磐線)発車標(2020/3/13)

快速急行 長瀞・三峰口行き」(西武4000系)

三峰口行き車両
長瀞行き車両
西武4000系快速急行長瀞・三峰口行き(2020/2/23)

長瀞・三峰口行き自体はダイヤ改正後も(飯能始発の各駅停車として)残るが、快速急行として池袋口に乗り入れてくるのは3/8(日)で最後だった。
この列車について詳しくは、先日書いた記事もご参照いただきたい。

tyobi-train.hateblo.jp

新逗子行き」(京急)

京急は今回「ダイヤ改正」自体は行われないが、計6駅にて駅名変更が行われる。特に「逗子・葉山」駅に変更となる新逗子駅は全列車が始発/終着であるため、新逗子行きの各列車(今は大半がエアポート急行)は「逗子・葉山」と表示されるようになるはずである。

(エアポート急行のもう一方の端である「羽田空港国内線ターミナル」も駅名変更となるが、方向幕や発車標での行き先表示としては現在も「羽田空港」なので、そちらは変わらないと考えられる。)

京急1000形(1800番台)エアポート急行新逗子行き(2020/1/25)

京急1000形(1800番台)エアポート急行新逗子行き(2020/1/25)

京急1500形エアポート急行新逗子行き(2020/1/25)

京急1500形エアポート急行新逗子行き(2020/1/25)

なお、京急の駅名変更全般については、下記の記事もご参照いただければ幸いである。

tyobi-train.hateblo.jp

まとめ

以上、網羅性も体裁も雑ではあるが、主に都心でダイヤ改正後に見られなくなる行き先表示系のうち特に主要なものを中心に揃えてみた。主なものだけでもこれだけの数があり、本改正を機に各路線の運行形態等がかなり変化していくことがよく分かる。

消えるものもある一方で、生まれるものもある。今回のダイヤ改正で言えば、サフィール踊り子号、仙台行のひたち号(再開でもある)、等々である。今後も新たな輸送体系に応じた様々な列車を追って行ければと思う。