2020年に入って早い段階で、首都圏で活躍し個人的にも慣れ親しんできた車両(形式)の数々が立て続けに引退した。
ちょうど上半期から下半期に移り変わるキリの良いタイミングでもあるので、この機会にそれらの車両を簡単に振り返ってみたい。(必ずしも引退車両・編成の網羅というわけでない点はご了承いただきたい。)
- 山手線E231系500番台
- 中央総武緩行線E231系 (6ドア車)
- 東京メトロ03系
- 東武20000系
- 東海道新幹線700系
- 特急スーパービュー踊り子号(251系)
- 快速伊豆クレイル号(651系1000番台)
- まとめ
山手線E231系500番台
山手線E231系500番台は、205系の置き換えとして2002年に登場し、2005年には前列車がE231系に置き換わった。一時期は205系に引き続き6ドア車が連結されていたが、最終的に4ドア車に統一された。
そんな山手線にも2015年11月には最新車・E235系が登場し、2017年以降の大量投入によりいつの間にかE231系は少数派となった。
そして今年1月、最後の506編成がヘッドマーク付きで運転された。想像以上に注目された影響もあるのか、早くも1月20日には最終運転となった。
中央総武緩行線E231系 (6ドア車)
山手線から退いたE231系は、中央・総武緩行線に転属されている。その中央・総武緩行線から玉突き的に引退することになったのが、中央総武緩行線を走るE231系(含む・E231系900番台)の6ドア車編成である。
ダイヤ改正で中央快速線・中央総武緩行線が完全に系統分離されるのを前に、ダイヤ改正前日までに6ドア車全編成が引退した。引退車両は今後、さらに改造を経て他線区で活躍するものと思われる。
東京メトロ03系
多扉車といえば、東京メトロ日比谷線を長い間走っていた車両も今年引退となった。
東京メトロ03系(登場当時は営団03系)は1988年より東京メトロ(営団地下鉄)日比谷線あるいは直通先の東急東横線(〜2013年)・東武伊勢崎線で運転されていた。一部編成は両端1・8号車が5ドア車となっていた。
03系は18m車8両編成だったが、20m車7両編成の東京メトロ13000系への置き換えが進められ、今年2月いっぱいで03系は引退となった。
なお03系の一部編成は、熊本電鉄(2019年〜)、長野電鉄(つい先日6/22〜)、北陸鉄道(運転開始前)に転属している。
東武20000系
同じく日比谷線を走っていた18m車8両編成が、東武20000系である。1988年に登場したが、1992年以降投入の20050型は両端の車両が5ドア車となっていた。
日比谷線および東武側のみを走る車両として長い間運転されてきたが、今年3月までに全て20m車7両編成の東武70000系に置き換わった。
東海道新幹線700系
1999年に運転が開始された「カモノハシ」型の先端形状を持つことでもおなじみの700系新幹線。こちらも今春のダイヤ改正でのN700系統一化のため、東海道新幹線内からは引退した。本来は3月8日の「のぞみ315号」が最終運転となる予定だったが、時勢の影響でその運転自体が中止となってしまった。
なお現在も、8両編成の700系は山陽新幹線内で「ひかりレールスター」「こだま」として運転されている。JR西日本所属のB編成16両編成が今後臨時列車などとして運用に就くことがあるのかも気になるところである。
特急スーパービュー踊り子号(251系)
1990年にデビューした伊豆方面の特急「スーパービュー踊り子」号に使用されてきた251系。一部ライナーにも使われるなど人気であったが、今春のダイヤ改正を前に全4編成が引退となった。
1・2・10号車が2階建て車両となっており、特に1・10号車には前面展望が楽しめす座席もあった。それ以外の車両も全体的に窓が非常に大きく、まさに伊豆方面の観光輸送に相応しい列車であった。
今春からは、新型特急E261系サフィール踊り子号に伊豆方面の最上級特急の座を譲ったような形となっている。また、より昔から伊豆方面の特急としても活躍してきた185系も、今春より投入が始まったE257系に1年ほどで置き換えが行われる予定である。
快速伊豆クレイル号(651系1000番台)
伊豆方面でもう1つ、2016年にデビューした小田原-伊豆急下田間を結んでいた観光列車・快速「伊豆クレイル」号が運転終了となった。元々常磐線特急「スーパーひたち」として活躍してきた651系(1000番台)の付属4両編成が改造されて使われていた。
1-3号車は旅行商品としてのみ発売され、一般には4号車(グリーン車)のみ乗車することができた。いわゆる「観光列車」の性格を持った列車は首都圏・伊豆方面では珍しかった。
臨時列車として一部土休日に運転されてきたが、3月29日の設定で運転終了。その後4月4日に相模線経由や6月28日にラストランが計画されていたが、やはり新型コロナウィルスの影響で運転中止となってしまった。
まとめ
以上、本年上半期(主に1〜3月)に首都圏から引退した車両について、ごく簡単ではあるが振り返ってみた。改めて見直しても、よく乗車した・見かけた車両ばかりでなかなか心に来るものがある。
一方で、代わりに新しく運転されるようになった車両にも、見た目やディスプレイなどについて令和時代に相応しい最先端さをそれぞれ感じている。個人的に、今春デビューのサフィール踊り子号などはまさにそれであり、また明日デビューの「N700S」も予想以上にN700系から進化しているようだ。山手線に投入されたE235系も、次は横須賀・総武快速線に導入されようとしているところである。
今後も古い・新しいの双方に目をつけつつ、その時代その時代の車両を楽しみたいものだ。