相鉄線から東急線への直通列車は、大きく分けて東横線方面と目黒線方面に分かれており、東急目黒線はさらにその先で都営三田線・東京メトロ南北線に分岐している。特に日中のパターンダイヤでは「相鉄本線⇔都営三田線」が30分毎に走る一方、いずみ野線方面と目黒線、あるいは目黒線の先で南北線に直通する列車は比較的少なくなっている。さらに、直通運転する車両には東急車と相鉄車が存在している。
そんな中、2023年3月改正時点では相鉄車の「浦和美園行き」は非常にレアであり、平日は朝夕に数本存在するが、土休日に至っては通常1日1本となっている。その1本は目黒線直通が珍しい湘南台始発となっており、湘南台17:18発・浦和美園19:22着と2時間ほどかけて運転される。
本記事では、この列車が浦和美園に着くまでの大まかな流れを紹介する。
土休日の相鉄車浦和美園行きは、湘南台駅17:18発となっている。
ちなみに湘南台駅時点でその次の列車が東横線直通池袋行き、さらにその次が目黒線・都営三田線直通の西高島平行きとなっており、いずみ野線から3本連続で横浜方面直通の列車が無いタイミングだったりもする。
17:11頃、相鉄21000系が1番線に入線する。この列車は、横浜始発の各停湘南台行きとして運転されて来るが、折り返しは東急方面直通の浦和美園行きとなり、17:18に出発する。
湘南台発着の各駅停車は二俣川駅で長時間待避を行うことが多いが、この列車も例外ではなく、17:34着・17:41発の7分間ほど停車する。この際、ダイヤ通りであれば到着時には隣の線路では東急車(10両)の湘南台行き(珍しい二俣川始発)が入線しており、発車直前には次の湘南台行きがこちらも東急車(8両)で到着する。
さて、相鉄線内新横浜までは各駅停車として運転されてきた浦和美園行きだが、東急線内では急行に種別を変えて運転される。上記の種別に関する車内案内表示は、相鉄線内で見ることができる。
東急線内「急行浦和美園行き」自体はそこまで珍しくないが、その多くは新横浜始発の埼玉高速車・東京メトロ車・東急車運用であり、相鉄車は平日を含めても朝夕のごく限られた時間にしか見られない。
目黒駅に到着すると再度種別が変更となり、東京メトロ南北線・埼玉高速線内では「各駅停車」として運転される。種別表示が相鉄線内での「各停」とは違うフォーマットの表示となっている点も注目と言える。
東京メトロ南北線内は、密閉式の全面ホームドアとなっている。相鉄車がホームからガラス越しに見られる機会も珍しい。
湘南台から約2時間かけて終点の浦和美園に到着した相鉄車は、一旦その先の車庫まで回送された後、約2時間後に相鉄線方面の列車として戻っていく。
ちなみに浦和美園到着とほぼ同時刻、反対側のホームには東急車の急行海老名行きが入線してくる。相鉄車と東急車の並びが埼玉県内、あるいは東急から計算しても2社を隔てた地で見られるような時代となった。