【乗車レポ】昨年比50分早発、普通待避も!サンライズ出雲92号【2023年5月】

まだ13時台ながらも出雲市駅1番線に入線したサンライズ出雲92号東京行き(2023/5/1)

まだ13時台ながらも出雲市駅1番線に入線したサンライズ出雲92号東京行き(2023/5/1)
出雲市14:43発・東京6:23着、実に15時間40分もの長旅が始まる

多客期を中心に年数回運転される臨時列車「サンライズ出雲91号・92号」。定期のサンライズ出雲号とは違い全区間7両編成のまま運転され、また運転時間も定期の約12時間に対して臨時は約15時間とさらに長い。

昨年(今年の年始)までの数年間、上りサンライズ出雲92号は出雲市駅15:33発(やくも24号の直後に出発)であったが、今春はさらに出雲市駅が50分繰り上がり14:43発となった。終点東京6:23着まで、実に15時間40分もの長時間運転である。

今回、この新しいダイヤのサンライズ出雲92号に全区間乗車することができたので、簡単にレポートしてみたい。

出雲市駅1番線にサンライズ出雲92号が入線したのは13:53頃。発車までまだ50分ほどの時間がある。

直前までは観光快速の「あめつち」が入線していたが、ホームが空き次第入線してきたような形となる。

入線後しばらくすると、上り特急スーパーまつかぜ10号、下り普通浜田行きなどが入線する。

14:11頃には、出雲市止まりの国鉄色やくも9号が3番線に到着。昨年度のダイヤでは、折り返しやくも24号とサンライズ出雲92号の並びが見られたが、今回のダイヤでも一応出雲市駅で国鉄色サンライズの並びを見ることはできる。

国鉄色やくも号回送直前には、2番線に14:33発特急やくも22号が入線。ゆったりやくも塗装とサンライズの車両がしばらく並ぶことになる。

やくも22号の発車から10分後、サンライズ出雲92号も出雲市駅を出発した。

(以下、筆者は後方車両・進行方向左側の個室に乗車したため、左側の車窓・長時間停車中の1号車側からの写真がメインとなる。)

最初の停車駅である宍道駅でさっそく交換待ちで5分ほど停車。

宍道をすぎると、進行方向左側には宍道湖が見えてくる。上りサンライズ号の個室内から、日中の明るい時間帯の宍道湖を見られるのは92号ならではである。

次の松江駅でも時間調整、さらに途中の揖屋駅でも運転停車がある。

伸びた運行時間の大半は、序盤の時間調整に充てられている。

その大半を担うのが、伯備線に入って割とすぐ・江尾(えび)駅での30分以上の停車である。

サンライズ出雲92号は下り側の待避線に入線し、まずは下り普通列車との交換。

ある意味1番の見どころとして、米子駅を12分後に出発した普通列車新見行きに追い抜かれる。新見には、この普通列車が先着する。

そして、後から追いかけてきた国鉄色特急やくも24号に追い抜かれる。昨年度までは出雲市駅の時点でやくも24号が先発となりサンライズ出雲92号はその後追いとなっており、今回のダイヤも江尾以降は概ね昨年度までのダイヤとなる。

パノラマ編成で運転される週末等運転の特急やくも17号が通過した後、ようやくサンライズ出雲92号は江尾駅を出発した。

この日は快晴に恵まれ、伯備線内の車窓はいつにも増して綺麗なものであった。

伯備線上にありながら伯備線普通列車は通過する秘境駅布原駅にも運転停車。見届けるのは失念したが、スーパーやくも色の特急やくも21号出雲市行きとはこの駅ですれ違う。

新見駅備中高梁駅では定期サンライズ号とは違うホームに入線し、倉敷駅停車時には先ほどの折り返しとなる国鉄色特急やくも25号とすれ違う。

岡山駅は3分ほど停車し、19:36着・19:39発。この時間であれば、新幹線に乗り換えれば当日中に東京に到着することも可能である。

岡山発車後、瀬戸駅運転停車中に後続のスーパーいなば11号を待避する。

大阪駅11番線には定刻22:15着・22:29発の14分停車。撮影・買い物に降りる乗客も多い。ここまで既に出雲市駅から7時間半ほど経過しているが、時間的にはようやく中間地点手前である。

余談だが、この大阪駅11番線の「福井・金沢・富山方面」という文字列は、来年の北陸新幹線敦賀延伸時には変わってしまうのだろうか。今でも富山駅へは金沢での乗り継ぎが必要なので変わらない可能性もあるが、「敦賀」の文字が入るか、「北陸線」のままなのか、といった辺りは気になるところである。

大阪駅発車後は、翌朝の横浜駅までは通過扱いである。

米原駅での運転停車の直後に日付を超え、1時前には名古屋駅を通過する。浜松駅では15分以上停車し、貨物列車2本に追い抜かれた。

横浜駅手前。並行する相鉄の線路を、相鉄東急直通記念ラッピング車両が走っていた。偶然とはいえ、こういった時に旬な編成が見られると嬉しいものである。

定刻6:23、終点東京駅は下りホーム9番線に到着。

7両編成のサンライズ号が東京駅のホームに停車するのは、年数回のことである。

 

15時間40分かけて東京駅に到着したサンライズ出雲92号は、その日の夜にはサンライズ出雲91号として、改めて15時間46分かけて出雲市駅へと戻っていく。