GW最終日の上り新大阪始発こだま号「自由席」に乗車した感想【満席は○○駅から】

ゴールデンウィーク最終日、大阪泊明けの旅程を都合により急遽変更して直接首都圏に戻ることにした。明らかに混雑が予想され、前日時点で既にひかり号やこだま号を含む多くの列車で指定席が満席となっていた東海道新幹線上りだが、新大阪始発・自由席利用であれば少なくとも着席は可能と考え、この機会に乗車してみることにした。

以下、こだま720号(新大阪10:54発・新横浜14:29着)の1号車・E席(2列側・窓側・進行方向左)に乗車した際、主に当該列車や前後列車の混雑率などに着目したレポートとなる。あくまでも自分で観測したこととそこからの類推とはなるが、何かしらの参考になれば幸いである。

大前提:午前中・こだま号・1号車だから空いていた?

以降、主に混雑度に着目した記述を行うが、結論の一部を先出しすると「午前中だからやや空いていた」(混雑のピークは午後〜夜)という点は予め記しておきたい。

これは実際、エクスプレス予約などで(前日や当日乗車直前などに)空席状況を調べた際に、指定席の空席があったりグリーン車の混雑度が○や▲であったりする列車が、午前中は以降の時間帯に比べてやや多く、また公式ツイート等で夕方に見かけた「新大阪始発の自由席は1列車待てば座れる」という情報に比べれば明らかにホームが空いていた、という点からも類推できる。

よって以降の記述においては「午後ならもっと混んでいる」という前提でお読みいただくと乗車時の参考になるものと思われる。

また、「こだま号に乗車」(東京までの所要時間がのぞみ号に比べ1時間半長い)「空きやすい車両(1号車)に乗車した」という、混雑を極力避けるための施策を取っていたことも併せて強調しておきたい。

参考:新大阪10:45〜11:15に発車する列車一覧

10:45 のぞみ12号

10:48 ひかり504号:京都でのぞみ338号待避(浜松・静岡でも待避有)

10:51 のぞみ338号(始発)

10:54 こだま720号(始発):米原岐阜羽島だけでも計3本待避・今回乗車

10:57 のぞみ340号(始発)

11:00 のぞみ342号(始発)

11:06 のぞみ14号

11:15 のぞみ222号(始発):名古屋でこだま720号に接続

新大阪時点では、始発なら着席容易?

今回乗車するこだま号は、新大阪駅10:54発である。約10分前にホームに到着し、既に車内に入れるようになっていたが、この時点で自由席は空席が目立ち、乗車した1号車には自分の他3人程度の乗客しかいなかった。(なおN700Sで運転されたが、定期ではなく当日限りの充当である。)

横のホームに、岡山始発のひかり504号が入線した。自由席(1〜5号車のみ)に並ぶ乗客も一定数いたものの、発車時には窓側の空席も見られる程度であった。名古屋時点でも東京先着とはならない列車である一方、停車駅である浜松・静岡・熱海からの乗車もある。

発車5分前の時点で、2号車の乗客は0人に見えた。(ただし、この先名古屋あたりまで進むと1号車並またはそれ以上の混雑率となっていた。)

先述のように、ピーク時に関して「新大阪始発の自由席は1列車待てば座れる」という話もあったが、午前中・かつこだま号であれば、新大阪時点ではかなり余裕があるのだと思った。

 

10:54、定刻で出発。1号車は13列65席(窓側26席)に対し乗客(自分含め)4人で出発した。

せっかくなので余談として、2点ほど車窓の話。

京都駅発着前後で、特急サンダーバード号と並走した。追い付いたかと思えば京都駅手前で前の列車の詰まりで徐行している際に一旦追い抜かれ、京都駅直後で再び抜き返した。

新大阪始発のこだま号(新大阪毎時54分発)は、岐阜羽島発車時に名鉄羽島線新羽島駅を発車する列車とほぼ同時発車するダイヤとなっていたりもする。

岐阜羽島では待避のため5分停車、つまりこだま号到着の5分後に名鉄新羽島駅を発車するが、仮に名鉄に乗り換えるとして、5分での乗り換えは急がないと厳しいように思える。羽島線は15分間隔なので、大阪方面からは実質的に20分乗り換えと考えておくのが安全であろう。

 

話を新幹線の車内混雑に戻すと、米原岐阜羽島では少数ながらも乗客があり、名古屋到着時点では1号車の乗客は10人程度であった。

名古屋待避中「のぞみ」号を見たら…

この列車は名古屋駅に6分間停車し、のぞみ号を1本待避する。今春のダイヤ改正時点では、それは定期運転ののぞみ号であり、一部日程で博多始発等になるのを除いて、(この日を含め)新大阪始発である。

今回こだま号を追い抜いたのぞみ222号の名古屋到着時・発車時の様子を見ると、名古屋到着時点では1号車の窓側には空席があり、発車時には窓側はほぼ埋まっているという程度の乗車率であった。この列車も指定席は(おそらくグリーン車も)満席であったことを考えると、早めの時間帯の新大阪始発であれば、のぞみ号でも自由席の方が快適な空間と言えるのかもしれない。

三河安城駅手前で見える、ニチバンのセロテープの建物

さて、こだま720号の1号車には名古屋駅で約10人程度乗車し、20人弱となった。

その後、三河安城では1号車からの乗降客は無かったものの、豊橋で5人程度、浜松・掛川でそれぞれ約10人程度の乗車があった。

豊橋での乗客が少なかったのは、10分後に(このこだま号を追い抜く)ひかり号が存在するのが大きいように思えた。豊橋での待避停車中にも、次のひかり号の自由席を狙う乗客の列が伸びていった。

静岡でD席C席がほぼ埋まる

そして静岡駅でついに、自分の着席していたE席の隣のD席が埋まった。

静岡は下車も5人程度いたが、20人程度の乗車があり、通路側C席・D席がほぼ埋まっていたように見えた。65席中約50席が埋まったことになる。

三島駅は下り共用の島式ホームで、珍しく進行方向左側に通過線がある

その後、新富士でついにほぼ満席となりデッキにも乗客が立ち始め、三島発車時点では通路に立ち客が1名程度発生したが、小田原では数名以上の下車があり一部空席が発生した、というような流れを辿った。

N700Sの車内で「相鉄新横浜線・東急新横浜線」の表示

そして予定通り新横浜で下車したが、ここでの1号車からの降車客は10数名程度(/65席)であった。普段指定席等を利用した際に比べて品川・東京まで乗車する乗客の割合が高い印象であった。

程なくして後続ののぞみ号(新大阪始発・臨時)が到着したが、「新横浜駅で下車する乗客が既に席を立っている」前提の上で自由席には窓側に一部空席が見られ、おそらく名古屋発車時点で満席というほどではなく、だとすればこだま号のピーク時よりも自由席乗車率は小さかったのかもしれない。

結論

今回は「こだま号」「1号車」という極力混雑を避ける形での乗車だったため、乗車時間が短く本数の多い「のぞみ号」利用の時にどうなるかについては、観察できた部分以上は「もう少し混んでいるのだろう」という程度の推測しかできないが、今回の乗車と、他の時期に乗車した経験などから、東海道新幹線上りピーク期の自由席と混雑に関して、例えば以下のようなことが言えそうである。

 

・指定席・グリーン車が満席やそれに近い状態でも、自由席が空いているケースもある。特に、こだま号は連結されている指定席の両数(指定3両・グリーン3両・自由10両)からして、日常的にそのような状態となっている。

・こだま号の自由席は、名古屋時点では空いていたとしても、豊橋・浜松・掛川・静岡あたりで乗客が徐々に増えていく。結局1号車でも満席になったことを考えると、早い時間帯の乗車であれば(新大阪始発の)のぞみ号の方が満席を避けやすかったかもしれない。

・新大阪始発時点での着席は(ピーク時ののぞみ号でも1列車程度待てば)比較的容易い。午前中やひかり号・こだま号であれば京都や名古屋時点でも着席は可能か。

 

混雑度については臨時列車運転本数・連休の長さ・天候等様々な条件で変化するとは思われ、また今回のようなこだま号乗り通しを万人にお勧めできる訳ではないが、ゴールデンウィークなどの多客期でも時間帯・列車等さえ調整できれば「満席や隣席が埋まる時間・区間を最小限に抑える」ことぐらいはできるのではないか、という知見を得た。

もっとも、日程をズラせるのならそれに越したことはなく、ピーク日程のピーク時間帯でも満席は大前提に確実な着席を狙いたいのであれば、可能なら1ヶ月前(遅くとも数日前)までに指定席を取得するに限るであろう。