8000系初のYNB化!相鉄8709F

横浜駅3番線に入線する8709F特急海老名行き(2020/6/7)

横浜駅3番線に入線する8709F特急海老名行き(2020/6/7)

相鉄の車両はSOTETSU DESIGN BRAND UP PROJECT(公式サイト)の下に車両のYOKOHAMA NAVYBLUE(ヨコハマネイビーブルー、以下YNBと略記)化が進んでいる。横浜をイメージした濃い紺色の塗装に変更され、また車内の座席や照明の色も次世代的なものとなっている。

他社直通を前提に造られた20000系、12000系はデビュー当時から全編成がYNBである。また、9000系は7編成中6編成がYNB化された。一方、8000系のYNB化はまだ始まったばかりで、2020年6月10日時点では8709F(3月よりYNBで運転開始)の1編成のみである。

本記事では、YNB化された8709Fの顔面や内装について、コーポレートカラー塗装時代の8000系(他の編成や塗装変更前の8709F)との比較を交えつつ簡単に見てみたい。

顔面比較

8709FのYNB改造前の車両先端(2019/6/1)
8709FのYNB改造後の車両先端(2020/6/7)
8709FのYNB改造前・後の車両先端の比較(前2019/6/1、後2020/6/7)

まず8709Fの先頭1号車(8709)の見た目を、1年前のものと比較してみたい。

YNB化更新前は、「白(灰)、青、黒の3色」「前照灯が中央下部」「運用番号がデジタル」「行先・種別が3色LED」「行先が真ん中、種別が右」といった特徴がある。

YNB化更新後(現在)は、「YNB(紺)一色」「前照灯が車両上部」「運用番号・種別・行先が同じディスプレイでフルカラー表示」「種別が真ん中、行先が右」という特徴に変化していることが見て取れる。

このほかに編成番号のフォントも、以前のイタリック体から他のYNBと同様のスタイルに変更されている。

これらの変化は、9000系のYNB化前後などともほぼ同様の特徴変化である。フルカラーLED化などは、まさに時代の変化に対応したものとも言えるであろう。

内装比較

続いて、内装を見てみたい。以前の8709Fの内装は特に撮影した記憶がないが、先日横浜駅2・3番線に8701F・8709Fの両方が停車していたので、乗客が多くならないうちに何箇所か撮影してみた。(なお、8701Fに必ずしも8000系を代表しない点があるかもしれないのでご了承いただきたい。)

8701Fのロングシート(2020/6/7)
8709F(リニューアル後)のロングシート(2020/6/7)
8701F・8709F(リニューアル後)のロングシート比較(2020/6/7)
8701Fのクロスシート(2020/6/7)
8709F(リニューアル後)のクロスシート(2020/6/7)
8701F・8709F(リニューアル後)のクロスシート比較(2020/6/7)

座席色は、以前のオレンジ色・茶色ベースのものから、他のYNB車両同様にグレーベースのものに変化しており、車内の雰囲気がより落ち着いたものに変わったと言える。

なお、9000系と同様に5・8号車のクロスシート自体は引き続き設置されているが、9000系YNB更新車とはクロスシート座席の色(材質?)が違うようだ。

8701Fの先頭車両の車両番号・号車表記(2020/6/7)
8709F(現在)の先頭車両の車両番号・号車表記(2020/6/7)
8701F・8709F(リニューアル後)の先頭車両の車両番号・号車表記比較(2020/6/7)

8701Fの先端(写真は10号車8501)には、新7000系以前等にも見られるような大きな号車シールが貼られている。また車両番号は、楕円形(がさらに尖ったような形状)のプレートに掲載されている。

一方でYNB化された8709Fの先端(写真は1号車8709)の車両番号・号車表示は、12000系等と同様で黒い長方形のシールが縦に並ぶ形となっている。

なお車内先頭側の壁は、12000系のように黒で塗られることなく、白地のままである。

8701Fのドア上LED表示(2020/6/7)
8709Fのドア上LED表示(2020/6/7)
8701F・8709F(リニューアル後)のドア上LED表示比較(2020/6/7)

8709Fと他のYNB化車両の大きな違いとして、8709Fではドア上の液晶ディスプレイ(LCD)は設置されておらず、旧来通りの3色LED表示の案内板のまま更新されていない、という点がある。YNB化された9000系の内装との最も大きな相違点の一つと言える。

YNB化後の車両で見られる、楕円ベースで握りやすくなった「吊り手」(8709F、2020/6/10)

YNB化後の車両で見られる、楕円ベースで握りやすくなった「吊り手」(8709F、2020/6/10)

なおYNB化後の8709Fでのみ確認したが、吊り革は他のYNB車両と同様、従来の円形から楕円型(灰色)の持ちやすいものに更新されている。

まとめ

西谷駅2番線に停車中のヨコハマネイビーブルー8709F各停湘南台行き(2020/5/31)

西谷駅2番線に停車中のヨコハマネイビーブルー塗装8709F各停湘南台行き(2020/5/31)

以上、YOKOHAMA NAVYBLUE化された8709Fについて簡単に紹介した。

初めてYNB塗装の8000系を見たときは既存の8000系との雰囲気の違いに驚いたが、20000系や12000系との顔面の形状(膨らみ)の類似性を念頭におくと、ある意味9000系以上にYNBが似合っている車両のようにも見えてきた。

旧来の相鉄らしい個性的な車両塗装や内装も好きだった身としては寂しさもある一方、様々な点において次世代が見据えられているYNB仕様の良さも普段12000系に乗車していて実感している面もある。今後の各編成のYNB化にも注目していきたい。