【2021春改正】3/13相鉄ダイヤ改正(1)朝は池袋行き誕生と横浜行き特急増発、日中は急行・いずみ野線快速が消滅へ!

さがみ野駅に到着する相鉄11003F(そうにゃん号)急行横浜行き(2020/7/19)

さがみ野駅に到着する相鉄11003F(そうにゃん号)急行横浜行き(2020/7/19)
ダイヤ改正後、平日朝の急行は運転間隔が是正されるが、日中の急行はほぼ消滅する

昨日2月2日、相模鉄道の公式HPにて今春のダイヤ改正の概要、さらに時刻表(相鉄線内)が発表された。JR直通開始後初の大幅なダイヤ改正であり、朝ラッシュ・日中・夕ラッシュなどほぼ全ての時間帯に置いて全面的に種別・行き先・運転比率などの調整が入る形となった。

この改正ではダイヤの色々な箇所が変わるが、本記事ではひとまず、本ダイヤ改正の要点、特に平日の朝ラッシュ上り・夕ラッシュ下り、日中ダイヤに焦点を当て、種別・行き先の改廃や新ダイヤの利便性について簡単に考察してみたい。

平日朝ラッシュ、海老名発横浜行きの特急増発!

まず平日朝ラッシュ時間帯の変更として、海老名発「横浜行き」の特急・急行が増発され、ピーク時(海老名駅6・7時台)は海老名始発が全て優等列車となる。これにより、海老名始発は急行・特急(JR直通/横浜行き交互)が約7.5分サイクルで交互に出発する形となり、急行は原則として瀬谷で特急を待避することになる。

このようなダイヤになることで、平日6・7時台に瀬谷・三ツ境・希望ヶ丘から横浜に向かう乗客は、最初に来た急行列車に乗車し続ければ横浜まで先着できることになる。停車本数自体は(元々各駅停車があった分)減ることになるが、横浜に先着する「直通列車の」有効本数は変わらず、また運転間隔もやや等間隔に近くなるのだ。

一方、かしわ台・さがみ野相模大塚の3駅からは、しばらくの間横浜に先着する「直通列車」は無く、大和で特急に乗り換える(JR直通特急の場合はさらに二俣川いずみ野線方面からの優等列車に乗り換える)ことで横浜に数分早く到着することができる形となる。これらの駅からも、急行の運転間隔は等間隔に近づくと言える。

なお時刻表を見る限り、大和始発の列車はピーク時には廃止となっているようだ。

相鉄8000系(8706F)の通勤急行横浜行き側面表示(2020/11/2)

相鉄8000系(8706F)の通勤急行横浜行き側面表示(2020/11/2)

この他、いずみ野線湘南台始発の通勤特急の運転時間帯がピーク時前後に変更となり、また結果としていずみ野駅での緩急接続も全て廃止となるようだ。

湘南台方面に日中の特急が直通していた時代(最初からでは無く2015年〜?)からしばらく続いていたいずみ野線内での緩急接続は、ここで途切れることになる。

JR直通の行き先変更も発生、新宿スルー2本増で池袋行きが3本、赤羽行きは0本に

海老名駅1番線に停車中のE233系JR線直通特急赤羽行き(2020/1/22)

海老名駅1番線に停車中のE233系JR線直通特急赤羽行き(2020/1/22)
次のダイヤ改正では平日朝の「赤羽」行きは「池袋」行きに変更となる

現在は朝に6本存在する新宿より先(埼京線内)に直通するJR直通列車だが、プレスリリースによると平日はその最後の赤羽行き、さらにその後の新宿行き2本が、池袋行きに変更となる模様だ。

現在、相鉄線内からの池袋行き定期列車は存在せず、(少なくとも定期列車では)初の設定となる。また現在は新宿以北へは原則としてE233系のみが直通しているが、その本数が増えてかつ新宿以北の運転区間も短めであることから、この池袋行きに相鉄12000系が充当される可能性もあるのかもしれない。

なお、公開された時刻表ではJR線内の時刻が3月初旬まで不明となっており、現時点では土休日の行き先や相鉄へ直通する列車の始発駅に変更があるか等は分かっていない。

夕ラッシュ下り横浜発は「急・各・急・快・各・快」に!

この他、夕ラッシュ時下りの横浜発の運転パターンも変更となる。約20分サイクルであることは変わらずだが、その運転本数比率が「急2快(湘)1各3」から「急2快(海)1快(湘)1各2」に変更となる。各駅停車が約10分毎に減便となる代わりに、海老名行きの快速(西谷でJR方面からの特急海老名行きに接続)が設定される形だ。

運転順序だけ見ると「急行・各停・急行・快速(湘)・各停(湘)・快速」で急行の運転間隔も5分-15分とやや歪な形なのだが、それでも横浜始発海老名行きの優等列車が毎時6本から9本に増加していることを踏まえると、特定の(急行)列車への乗客の偏りがある程度解消されるものと思われる。各駅停車が減るのは難点とも言えるが、優等列車を含めた全列車の混雑度バランスだけ考えれば妥当な変更とも言える。

瀬谷でJRからの直通特急が各停追い越し

瀬谷駅を通過するE233系JR直通特急と、待避する11000系各停(2020/8/13)
瀬谷駅を通過するE233系JR直通特急と、待避する11000系各停(2020/8/13)

平日夕ラッシュ時に瀬谷駅を通過するE233系JR直通特急新宿行きと、待避する11000系各停横浜行き(2020/8/13)

改正後は下りでも見られるようになり、また上りでは急行が特急を待避するようになる

またこの夕ラッシュ時下りダイヤでは、JR線からの特急海老名行きが瀬谷で先行の各駅停車を追い越し、大和でその各駅停車に乗り換えられるようになる。

これにより、JR線方面から鶴ヶ峰・希望ヶ丘・三ツ境・瀬谷と、相模大塚さがみ野・かしわ台への先着列車が別れる形となり、西谷で接続する快速海老名行きの混雑を多少緩和できるものと思われる。また、各駅停車海老名行きの二俣川駅停車時間が抑えられた(1本しか後続の優等列車を待たない)点もメリットと言えるだろうか。

強いて言えば、JRからの直通特急から湘南台方面への接続は全体的に悪くなっている。現在は西谷駅で快速湘南台行きに接続していたのに対し、ダイヤ改正後は二俣川で快速湘南台行きにタッチの差で追いつけないようなダイヤに変更となっているからだ。なお概ね20時台以降は、接続時間こそ長いものの二俣川駅で対面の各駅停車湘南台行きに乗り換えられる場合が多い。

なお、平日夕ラッシュ時の瀬谷駅での特急通過待避は、現在でも上り列車で各停がJR直通待避を行なっているが、今回のダイヤ改正では下り各停が瀬谷での通過待避を行うようになる他、上りでは急行がJR直通特急を待避するようになる。

日中ダイヤは単純化。JR直通は全て各停化、急行やいずみ野線快速は廃止に!

瀬谷駅ですれ違うYNB車:12004F急行海老名行き、8709F各駅停車横浜行き(2020/9/5)

瀬谷駅ですれ違う12004F急行海老名行き、8709F各駅停車横浜行き(2020/9/5)
海老名方面に向かう急行・(横浜発着)各停は日中のパターンダイヤから一旦姿を消すことに

そして平日・土休日問わず、日中ダイヤもかなり整理されることになった。

まずJR直通列車は、現在は特急・各停が交互に走る形となっているが、これが全て各駅停車となる。土休日夕方はむしろJR直通列車の特急化も進むようだが、日中においては横浜方面への直通列車での速達性、JRと相鉄本線各駅の直通利便性を重視することになった。なお、海老名駅での折り返し時間が3分とかなりタイトになるようだ。

では、その分横浜方面の特急が増えたのかと言うと、むしろ特急の本数全体としては減ることになり、毎時3本(30分毎+JR直通接続分)から毎時2本(30分毎すべてがJR直通と接続)となる。

大きく増えることになったのが横浜⇔海老名間の快速で、毎時4本も設定されることになった。さらにその反面、日中は急行が廃止となり、さらに湘南台方面の快速も設定されずいずみ野線方面は全て各駅停車となる。そして、横浜⇔海老名間の各停も日中のパターンダイヤからは消滅する。

総じて(特急・快速合わせて)横浜口の優等列車が10分毎、というのは従来通りであるが、なかなか思い切った単純化整理を仕掛けてきたと言える。また急行が朝夕のみの運転となることから、日中は西谷駅に全列車が停車するようになる、という状態にもなる。急行が無いことで横浜⇔二俣川以西(特に大和・海老名以外)の所要時間が若干増加する一方、横浜⇔羽沢横浜国大などの移動で西谷駅での長時間乗り換えがある程度回避される効果もある。

まとめ

以上、来春の相鉄のダイヤ改正の要点の一部を、一部詳細な時刻表も参照しながら一通り眺めてみた。

プレスリリースには他にも概要が記述されており、早朝時間帯の羽沢横浜国大始発西谷行きの列車が増発されることや、終電繰り上げ・夜間時間帯の輸送力調整(平日)など時勢に合わせた変更も記述されている。

細かくダイヤ分析すると色々なことが言えそうだが、ひとまずは全体的に「核となる旅客流動(横浜方面の優等列車)に利便性を思い切って振り直した」と言うことができるだろうか。JR直通開始時のダイヤ改正で動きすぎた部分を是正した、と考えられる面もあれば、約2年後に控えた東急線直通開始を意識した側面ももしかしたらあるのかもしれない。

また、発表された時刻表を細かく見て行くと、気になる列車設定などを何点か見つけたので、改めて別の記事で分析してみたいと思う。