過去に根岸線沿線に住んでいた筆者が人生で一番乗った車両は京浜東北線・根岸線の209系かもしれない。そのくらい当たり前だった209系だが、筆者が沿線を離れた後、2007年末にはE233系が導入され、そして早くも2010年1月には京浜東北・根岸線から引退することになった。
導入当時の1993年頃は、103系(や205系)に混ざって209系(やその前身の901系)が来ると大いに喜んだ記憶がある。GTO-VVVF素子のモーター音(東急9000系みたい、という感想を抱いた)、ドアチャイム、など新要素満載だったからだ。そして全列車209系になった上で毎日のように乗車することになり、乗らなくなってしばらく経った頃に「さよなら運転」の知らせを目にした。
2010年1月23日・24日、ヘッドマークを付けての通常運用が最後の運転だった。筆者は23日に赴き、横浜→磯子、根岸→川崎で乗車した。
京浜東北・根岸線の日中ダイヤは主に大宮⇔大船の全区間、南浦和⇔磯子(or蒲田)のやや短区間で運転する列車で構成され、最終日前日2010年1月23日の日中は南浦和⇔磯子間を往復する運用だった。
毎日のように乗っていたのと、当時デジカメや携帯電話をそれほど活用していなかったのもあり、209系はほとんど撮影した覚えがない。
しかし、撮影した何枚かだけを見返しても京浜東北・根岸線の色々な想い出が蘇るものである。
この時は地元駅から大宮までのほぼ全区間を乗車した。快速でなく各駅停車の場合には、大船から大宮まで乗り通すと2時間強かかる。
京浜東北線の行き先は色々あるが、日中の快速列車だと「大宮・南浦和・蒲田・磯子・大船」行きがほとんどである。当時のダイヤだと、快速運転終了間際に赤羽行きがあったのが印象的だった。
上記写真の撮影時にこの幕が表示されていた理由は覚えていないが、工事などの理由で方向幕に存在していない駅が行き先となる場合などに「京浜東北線」という幕も用意されていた。
引退から半年以上経った後、たまたま旅行で長野方面を経由した際に209系を見かけた。
他線区の209系も多くはE233系等に置き換わってしまったが、その一方でまさか総武本線や内房線・外房線でこれほど209系が見られるようになるとは当時思っていなかった。