JR東日本の新幹線・在来線特急減便ダイヤの概要を見る

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※5/24追記:JR東日本5/22発表のプレスリリースにより、本記事で取り上げた減便ダイヤは(JR東日本区間では)実施されないことになりました。あらかじめご了承ください。最新情報はJR東日本公式HP等でご確認ください。

時勢の影響で各地を走る新幹線・在来線特急は、今までに運休となった臨時列車に加えて定期列車も運休する動きが見られる。JR北海道JR九州では4月中から定期運転の特急列車の減便が存在していたが、今週頭の5/11(月)から東海道山陽九州新幹線が減便ダイヤとなり、今週末5/16(土)からはJR西日本JR四国方面の在来線特急の減便が始まる。そして本日、JR東日本による5/28(木)以降の新幹線・一部在来線特急の減便ダイヤが発表された。既に減便されている成田エクスプレス・踊り子号などに加え、新幹線や中央線・常磐線特急でも減便となる。

緊急事態宣言自体は、明日5/14(木)にも39県で解除される見込みであり、JR東日本管内で言えば都心部の東京・神奈川・埼玉・千葉の4都県(また一部新幹線の直通先である北海道)以外は解除されることになっている。特定警戒都道府県も予定通りなら5月末には解除される見込みだ。

不要不急の県外移動は宣言解除後も自粛要請がかかるとは思うのだが、それでも発令中に比べれば乗客数が増える傾向になるとは思われる。そんな状況下での減便にはなるので、直面する人は意外と多いかもしれない。

本記事では、新幹線(東北・山形・秋田・北海道、上越・北陸)および在来線特急(あずさ・かいじ・富士回遊、ひたち・ときわ)の5/28(木)以降の減便ダイヤについて、速報的に箇条書きではあるが、運転本数等の概要+αを確認してみたい。

東北・山形・秋田・北海道新幹線

東北・山形・秋田・北海道新幹線の運転計画(2020/5/13 JR東日本)および以下の発表内容を基に、減便ダイヤの概要を記す。

発売見合わせ中の北海道新幹線の運転計画・指定席発売について(2020/5/13 JR北海道)

北海道新幹線時刻表(5月28日から当面の間)(2020/5/13 JR北海道)

5月28日からの臨時ダイヤのお知らせ (2020/5/13 JR東日本秋田支社)

  • 北海道新幹線は、東京-新函館北斗間を直通する列車が10往復→7往復に減少。仙台・盛岡・新青森を発着とする列車は引き続き運転される。一部はやぶさ号が仙台-盛岡間で各駅停車となり、東京-新函館北斗間の所要時間が28~32分程度増加した列車もある。北海道新幹線内では原則として通常通りの時刻で運転(奥津軽いまべつ追加停車の「はやぶさ223号」を除く)。JR北海道発表の時刻表も参照
  • 秋田新幹線は、15往復→8往復に減少。仙台発着の便は運休(はやぶさ号側のみ運転)となる。雫石駅停車便は1日4往復→1往復に。下り最終こまち245号・上り始発こまち208号のみ速達タイプ。秋田支社発表の時刻表も参照。
  • 仙台-盛岡間は23往復。うち各駅停車が下り17本・上り18本。仙台-盛岡間ノンストップのはやぶさ号は下り6本、上り5本のみ。各駅停車を概ね毎時1本以上確保した形であり、仙台発着便以外では存在していなかった「仙台-盛岡間各駅停車のはやぶさ・こまち号」が数本設定されている。
  • 山形新幹線は、東京-山形間を直通する列車が16往復→9往復に減少。山形-新庄間では9往復→6往復(いずれも、下り朝に走る山形始発新庄行き「つばさ171号」を含めた本数。)。
  • このほか、東京-仙台間でも大幅に減便・時刻変更が存在し、特になすの号は朝の上り・夜の下りを除いてほぼ運休となった。運転本数が削減された分、東京-仙台間を各駅停車で運転するやまびこ号が多く設定されている。
  • 運転時刻が変更となった列車を中心に「号数」が変化している。例えば、「はやぶさ号「こまち」号は200号台(概ね元となる列車の号数+200)となっている。
  • ただし、運転時刻の変わらない一部列車は「号数」を変更していない場合がある。このため、例えば東京7:32発「はやぶさ・こまち205号」と東京7:44発「やまびこ205号」という、号数が同じ列車が連続で出発するようなタイミングもある。

上越北陸新幹線

上越新幹線・北陸新幹線の運転計画(2020/5/13 JR東日本)および以下の発表内容を基に、減便ダイヤの概要を記す。

北陸新幹線今後の運転計画等について(2020/5/13 JR西日本)

  •  上越新幹線「とき」号の東京-新潟間を走る列車は、速達タイプの列車を中心に11往復が運休となり26往復→15往復の運転。前後の列車の運休に伴い、停車駅(またそれに伴う所要時間)が増えている列車が多く、下り8本・上り9本が完全な各駅停車となった。
  • 「たにがわ」号は、下り夜6本・上り朝6本のみ運転。
  • 北陸新幹線は、東京-金沢間は合計24往復のうち14往復を運転。
  • 「かがやき」号は全便運休。(10往復→0往復)
  • はくたか」号は、運転本数としては東京-金沢間1日14往復(+長野以北の1往復+1本)が維持される。長野以北はほぼ通常通りの時刻で運転。「あさま」号等の減便に伴い、東京-長野間の停車駅が追加となる列車も多い。上り「はくたか460号」「はくたか468号」は金沢→東京間各駅停車。
  • 「あさま」号は、下り6本・上り8本のみの運転。このほか、平日のみ運転の軽井沢始発「あさま699号」は引き続き運転される。
  • 富山-金沢間を走る「つるぎ」号は、既にJR西日本の発表にあった通り上り3本・上り4本が運休となる。

あずさ・かいじ・富士回遊

特急「あずさ」「かいじ」「富士回遊」号の運転計画(5/28以降:当面の間) (2020/5/13 JR東日本)の2ページ目を元に、減便ダイヤの概要を記す。

  • 日中を中心に合計6往復(あずさ号3往復、かいじ号3往復)が運休。
  • 運休が発生する時間帯では、新宿口で1時間〜2時間に1本の割合で運休となる(一部を除いてあずさ・かいじが1時間半おきに交互に運休)。
  • 上り午前中にかいじ号が3時間開くタイミングもあるが、間には石和温泉・山梨市・塩山停車の「あずさ16号」が走る。
  • 富士回遊号は、時間帯の遅い下り・3本中上りの1往復が(併結のかいじ号ごと)運休となり、1日2往復の運転となる。
  • 春のダイヤ改正で新規に運転開始となった千葉始発の富士回遊3号など、千葉や南小谷を発着する便は引き続き運転される。

ひたち・ときわ

特急「あずさ」「かいじ」「富士回遊」号の運転計画(5/28以降:当面の間) (2020/5/13 JR東日本)の2ページ目を元に、減便ダイヤの概要を記す。

  • 日中を中心に合計6往復(ひたち号3往復、ときわ号3往復)が運休。仙台発着のひたち号や高萩発着のときわ号はすべて運転される。
  • 基本的に、品川・上野口で「1時間半に1本(3本に2本)」の割合でひたち・ときわが交互に運休となる。つまり品川・上野-勝田・いわき間において、ひたち・ときわそれぞれの運転間隔の開きは最大約2時間には収まっている。

まとめ

以上、5/28(木)以降に実施予定となっているJR東日本の新幹線・在来線特急の減便ダイヤについて、その概要をまとめた。どの路線においても、主要駅以外の停車本数が極力維持されるように停車駅を追加していたり、また運転区間ごとになるべく均等に運休となるような配慮がされているように感じた。これは、今回取り上げていない東海道新幹線や西日本の特急にも同様の傾向が見られ、ある意味当たり前なのかもしれないがJRの全国的な現状下における「減便ダイヤ」の実施方法と言える。

また今のところ記事化は未定ではあるが、今回取り上げた各路線の減便ダイヤの詳細や、山陽九州新幹線JR西日本・四国方面の減便ダイヤもこの機会に分析したいと思う。