島根県東部、松江市から出雲市にかけてを走る私鉄「一畑電車」(通称・ばたでん)。その特徴・魅力は様々あり、今後いろんな形で記事にして紹介していければと思うが、本記事ではまずその概要を紹介する。
多彩な車両
現役として計20両(12編成)が在籍する一畑電車だが、その車種は様々である。
昔大手私鉄で活躍していた車両も多く、元京王の2100系や5000系、元東急の1000系が運転されており、過去には西武や南海の車両も運転されていた。その一方で、比較的最近(2016年度〜)、一畑独自の新車である7000系(1両編成)が4編成導入されている。
塗装も様々であり、特に1000系の第3編成である1003号は「ご縁電車しまねっこ号Ⅱ」として独自のラッピングが施されている。なお、最近は映画『RAILWAYS』にも登場したデハ二50形に合わせたオレンジ色塗装の編成も多くなっている。
宍道湖の近くを走る
北松江線の東半分、松江しんじ湖温泉駅から園駅〜湖遊館新駅あたりにかけては、とにかく宍道湖の目の前を走っていく。それが一畑電車の一つの魅力と言えるだろう。
JR山陰本線が宍道湖の南側を走るのに対し、一畑電車は宍道湖の北側を走る。つまり、特急やくも号や寝台特急サンライズ出雲号などに乗車するのとはまた違った車窓で宍道湖を楽しむことができる。特に夕暮れ時は絶景となるので、狙って宍道湖の見える松江方面を乗車してみるのも良いだろう。
出雲大社アクセスの一手段
多くの観光客が島根県を訪れる理由の一つとも言えるであろう「出雲大社」へのアクセス手段の一つとして、一畑電車を利用することができる。
川跡駅で北松江線から分岐するような形で大社線を進むと、その名の通り「出雲大社前」駅がある。出雲大社の正門は、この駅から徒歩5分ほどの位置にある。(ちなみに旧国鉄の大社駅は、さらに徒歩10分ほど離れた位置にある。)
出雲大社というと和のイメージかもしれないが、出雲大社前駅の駅舎はステンドグラスの窓が施されるなど洋風の造りとなっているのも特徴である。
出雲大社前駅にはデハニ52が展示されているなど見所も多いので、いずれ記事として取り上げることができればと思う。
電鉄出雲市駅はJR出雲市駅直結
松江しんじ湖温泉駅はJR松江駅から離れた位置にある(徒歩25分、通常バス等で移動する)のに対し、電鉄出雲市駅はJRの出雲市駅のすぐそこにある。JRのホームからも見える位置にあり、改札口間は、目の前というほどではないが徒歩で3分程度の位置である。乗り継ぎ時間は(特にJRの遅れ等も考えると)余裕を持つに越したことはないが、移動量は比較的少なく、また出雲市駅周辺のホテルからJR・一畑どちらの駅に行くのも便利な立地と言える。
ひとまず一畑電車に乗ってみたいという方には、まず電鉄出雲市駅側を玄関にするのがオススメとも言える。
以上、一畑電車の概要・魅力をいくつかの観点から記してみた。今後も不定期で様々な観点から紹介していく予定である。
今は時勢的に色々と気をつけながらの乗車・観光になるのは当然としつつも、サンライズ出雲や運転開始が近いWEST EXPRESS 銀河などを利用して東京や大阪など各地から松江・出雲方面を訪れる際には、一畑電車を利用した観光もいかがだろうか。