現在も房総半島を中心に活躍している209系だが、その中でも比較的珍しい行き先が「成田空港」である。成田空港へは、成田エクスプレス以外では原則としてE217系(+最近はE235系)の快速列車が直通しているが、実は1日3往復ほど209系(8両編成)の普通列車(各駅停車)が乗り入れている。
本記事では、2月9日は209系の日？の一環ということで、209系の成田空港行き、その中でも特に「千葉駅16:22発」の成田空港行きについて簡単に紹介したい。
千葉駅16:22発の209系8両編成・成田空港行きは、総武本線方面の列車が発着する10番線から発車する。209系の行先表示幕では「成田線 成田空港」と表示され、千葉駅の電光掲示板には快速成田空港行きと同様に飛行機のマークが表示されている。
東千葉駅に到着する209系4+4両成田空港行き(2020/9/21)
多くの成田空港行きはE217系(・E235系)の11両編成以上の列車であるため、有効長8両編成の東千葉駅を通過する「快速」として運転される。一方、209系8両編成であれば東千葉駅に停車できるため、現在は1日3本だけ東千葉駅に「成田空港行き」が停車することになっている。
209系の成田空港行きは千葉駅発の3本が設定されているが、このうち16時台の列車のみが持つ特徴がある。それは、「四街道駅で上り0番線に入線して成田エクスプレスを待避する」というものである。四街道駅0番線16:31着、成田エクスプレス39号が下り本線2番線を通過したのち、16:35に発車する。
なお成田エクスプレス39号は昨年より時勢の影響で運休となっているが、同時刻に成田空港への送り込み用の回送列車が設定されているようだ。
ちなみに、1番線には総武快速線の上り列車が到着し、209系の成田空港行きと同時刻16:35に発車することになっている。上りホームからの同時刻発車で若干紛らわしいが、0番線側の発車標には「物井・佐倉方面 下り列車です。」との案内が表示されている。
17時を過ぎ、列車は空港第2ビル、そして終点の成田空港へと到着する。両駅には、2020年3月に昇降式ホーム柵が設けられており、209系と昇降式ホーム柵の組み合わせを眺めることができる。
成田空港駅には17:09到着、折り返し17:32発の各駅停車千葉行きとなる。この列車は後発17:46発の成田エクスプレス42号を、同じく四街道で待避する。また、17:59には快速久里浜行きが発車する。
成田空港駅発着の快速列車は概ね1時間毎(たまに約30分毎)で設定されており、209系の普通列車は快速列車が約1時間開く間に設定されている。各駅停車3本の設定時間帯も朝ラッシュ時・夕方・夕ラッシュ〜深夜帯と、乗客の多い時間帯の補完として設定されているものと思われる。
以上、209系の成田空港発着の列車、特に四街道駅で上り0番線に入線する夕方の成田空港行きについて紹介した。成田空港駅へは原則として成田エクプレスとE217系・E235系が乗り入れるイメージがあるが、実は209系も3往復ほど乗り入れている。今春以降のダイヤ改正で引き続き設定されていくかも含めて注目の列車である。
