踊り子号としては最後の秋!?11月の185系は定期に臨時に大活躍でした

新川崎駅の横を通過中の185系(6両編成)臨時快速鎌倉紅葉号鎌倉行き(2020/11/22)

新川崎駅の横を通過中の185系(6両編成)臨時快速鎌倉紅葉号鎌倉行き(2020/11/22)

来年2021年春に踊り子号・湘南方面のライナーがE257系に統一化*1されるのに伴い定期運用が終了となる185系*2。臨時列車としてもうしばらく運転され続ける見込みではあるものの、新料金体型となる踊り子号に臨時列車としてでも投入されるかは何とも言えないところだ。

そんな185系だが、この11月は踊り子号やホームライナーの定期列車のほか、我孫子方面を含む臨時踊り子号、さらには青梅と熱海や鎌倉を結ぶ臨時快速として運転された。

本記事では、今月運転された185系の様子を振り返りながら、今後の展望についても簡単に触れていきたい。

最長15両で走る踊り子号。伊豆急下田方面10両+修善寺方面5両

横浜駅を発車し相鉄平沼橋駅の横を通過する185系(15両編成)踊り子3号伊豆急下田・修善寺行き(2020/11/22)

横浜駅を発車し相鉄平沼橋駅の横を通過する185系(15両編成)踊り子3号伊豆急下田修善寺行き(2020/11/22)

185系は10両編成と5両編成が連結し最大15両編成で運転されることがある。踊り子号の場合、毎日運転の踊り子3号・13号、8号・16号(また臨時だと17号の土曜等運転時)がそれに該当し、10両編成が伊豆急下田方面、5両編成が修善寺方面の列車となっている。この2編成は、熱海駅で増解結を行う。

E257系の踊り子号は最大でも14両編成(9両+5両)となるため、15両編成の踊り子号が見られるのは来春までになると思われる。

熱海-修善寺間は5両で運転。土休日は1日最大4往復!

牧之郷駅1番線に停車中の185系特急踊り子9号修善寺行きと、2番線を通過する185系特急踊り子8号東京行き(2020/11/7)

牧之郷駅1番線に停車中の185系特急踊り子9号修善寺行きと、2番線を通過する185系特急踊り子8号東京行き(2020/11/7)
伊豆箱根鉄道駿豆線の途中駅で185系同士がすれ違うのは、土休日のこの駅だけである

熱海駅で解結された5両編成の修善寺行きは、三島まではJR東海区間、三島-修善寺間は伊豆箱根鉄道駿豆線に直通する。伊豆箱根鉄道線内では三島田町・大場・伊豆長岡・大仁に停車する。

修善寺に直通する踊り子号は、毎日2往復(3・13・8・16号)に加え、土休日1往復(9・12号)、さらに土曜日(等)に17号、日曜日(等)に2号となっており、1日最大4往復(通常の週末は1日3.5往復)となっている。E257系に転換した後、この運転本数がどうなるのかも注目である。

なお、現時点では伊豆箱根鉄道線内に限り特急料金不要(乗車券のみで自由席に乗車可)だが、来春以降は伊豆箱根鉄道線内でも特急料金200円が必要になる*3

この1年限り!新宿・池袋発の185系定期運転「踊り子5号」

まもなく新川崎駅を通過する185系踊り子5号(10両編成)伊豆急下田行き(2020/11/22)

まもなく新川崎駅を通過する185系踊り子5号(10両編成)伊豆急下田行き(2020/11/22)

昨年度までは251系スーパービュー踊り子号が運転されており、新宿方面の定期や週末運転の踊り子号は原則として全てスーパービュー踊り子号となっていた。しかし今年3月のダイヤ改正で251系が引退となり、元々存在していた新宿方面の踊り子号を他の編成で置き換えることになった。

夕方の上り池袋行き踊り子号(踊り子18号)や土休日運転の朝一番の下り踊り子号(踊り子1号)にはE257系が充当されたが、251系が元々平日に「おはようライナー新宿26号→スーパービュー踊り子3号」と運用されていたスジは185系で置き換えられることになった。そんな経緯で産まれたのが「踊り子5号」であり、平日は新宿9:25始発、土休日は池袋9:14始発となっている。

横須賀線湘南新宿ラインの線路を185系の「踊り子号」が走るのは、主に工事運休が伴う場合などの特殊な臨時列車であったが、奇しくも引退前の1年間、片方向のみ毎日運転される状態となったのだ。

E257系にも引き継がれるか?多客期の踊り子号我孫子乗り入れ

柏駅4番線に到着した185系(7両編成)踊り子114号我孫子行き(2020/11/8)

柏駅4番線に到着した185系(7両編成)踊り子114号我孫子行き(2020/11/8)

上野東京ラインが開業した2015年3月以降、踊り子号の既存の経路を伸ばして東京-我孫子間を直通する踊り子号が、多客期を中心に設定されるようになった。下り我孫子始発は主に土曜日、上り我孫子行きは主に日曜日に運転され、連休の中日などには両方運転されることもあった。なお、上野東京ライン開業と同時に常磐線特急は全車指定席(いわゆるスワロー料金体系、来春以降の踊り子号と同様)となっていたためなのか、我孫子発着の踊り子号は(伊豆急下田まで全区間で)全車指定席となっていた。

これまでは原則として185系7両編成が我孫子発着の踊り子号に充当されてきたが、この踊り子号が来春以降E257系として残るのか、その場合何両編成が直通するのか、というのも1つ注目ポイントである。(なお、E257系14両編成が常磐線内で試運転が行われたことはある模様である。)

東海道線方面の「ライナー」も今年度限りに

藤沢駅3番線に到着した185系(7両編成)ホームライナー小田原21号小田原行き(2020/11/10)

藤沢駅3番線に到着した185系(7両編成)ホームライナー小田原21号小田原行き(2020/11/10)

185系は踊り子号だけでなく、間合い運用的に朝夕の通勤ライナーとしても運転されている。東京-小田原間の「湘南ライナー」、新宿-小田原間の「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原」がそれにあたり、一部列車が全車2階建ての215系である他は185系が充当されている。一部列車は貨物線経由で藤沢・茅ヶ崎では専用ホームを発着したり、また他の列車は特急全停車の横浜駅を高速で通過したり、といった場面も知られている。基本的に乗車にはライナー券が必要だが、下りの大船や藤沢以降は乗車券のみで乗車可能な乗り得快速列車でもあった。

東海道線方面の各種ライナーは来春に廃止となり、代わりにE257系特急「湘南」として運転される。料金的にはライナーと比べれば(一部区間では大幅に)値上げとなるが、一方では全車指定席・チケットレスサービス、窓側座席ではコンセント利用可等のサービス面向上にも期待したい。あるいは、上り湘南号で都心以外(藤沢など)でも下車可能になるものと思われる。

2018年からは185系で運転!青梅発着・武蔵野貨物線経由のホリデー快速あたみ号・鎌倉紅葉号

熱海駅5番線に入線した185系(6両編成)ホリデー快速あたみ号青梅行き(2020/11/7)

熱海駅5番線に入線した185系(6両編成)ホリデー快速あたみ号青梅行き(2020/11/7)

最後に、185系で運転された臨時快速列車について紹介する。

2020年は11/7・8に運転された「ホリデー快速あたみ号」、11/21-23に運転された「鎌倉紅葉号」は、青梅と熱海・鎌倉を結ぶ全席指定の臨時快速列車である。青梅線南武線武蔵野貨物線経由という特殊な経路となっていた。2017年以前は189系で運転されていた列車だが、2018年以降は185系6両編成(グリーン車無し)に置き換わった。なお、同じタイミングでホリデー快速鎌倉号(南越谷⇔鎌倉)が185系6両編成からE257系5両編成での運転となっている。

185系は過去にも色々な臨時快速列車として運転されてきたが、今回運転された185系の方向幕は黒字の「臨時」または赤字の「臨時快速」の表示であった。

新川崎駅の横を通過していった185系(6両編成)鎌倉紅葉号鎌倉行き(2020/11/22)

新川崎駅の横を通過していった185系(6両編成)鎌倉紅葉号鎌倉行き(2020/11/22)

来春のダイヤ改正185系は 「定期運用が終了」となるので、おそらく特急(踊り子号)として運転されることはほぼ無くなるものと思われるが、完全引退と主張されていないことからみると、今回走ったような特殊な臨時ホリデー快速としての運転される姿は、あと数年ほどは見られるのかもしれない。

なお、この年末年始にも「足利イルミネーション号(12/26・27運転分のみ)」「成田山初詣伊東号(1/6・9)」「成田山初詣横須賀号(1/10)」「早春成田初詣号(1/9-11)」といった臨時快速が185系で運転される予定である*4