【2021春改正】全車指定席・E257系化の「踊り子号」停車駅増減以外はほぼ現状維持?

川崎駅1番線に到着するE257系踊り子7号伊豆急下田行き(2020/9/20)

川崎駅1番線に到着するE257系踊り子7号伊豆急下田行き(2020/9/20)
現時点では川崎駅に停車するほぼ唯一のE257系踊り子号であった

先日2020年12月18日(金)、JRをはじめとした各鉄道事業者の2021年春ダイヤ改正プレスリリースが公開された。ダイヤ改正日は2021年3月13日(土)となり、「踊り子号」の185系としての運転は前日の3月12日(金)が最後になると思われる。

さて本記事では、E257系(とE261系サフィール踊り子号)に統一され全車指定席化する2021年3月ダイヤ改正後の踊り子号の設定について、先日発表された本社プレスリリース/横浜支社プレスリリースを元に見ていきたい。

既にE257系運用で走る踊り子15号・4号の停車駅が増加!

まず本社プレスにも掲載されている内容として、現在速達タイプの停車駅となっている踊り子15号が「川崎・大船・小田原・湯河原」に、踊り子4号が「(網代・湯河原・小田原・にも停車していた上で)大船・川崎」に追加停車されることが発表された。

現在、常時E257系で運転されているのは踊り子7・15・4・18号(+土休日ほぼ毎週運転の踊り子1・6号)だが、このうち7号を除いて*1概ね昨年度までのスーパービュー踊り子号のスジを引き継いでおり、川崎・大船を通過する速達タイプの停車駅となっていた。踊り子4号が現在網代・湯河原・小田原に停車しているのも、スーパービュー踊り子2号の名残と考えられる。

しかし現在、それらE257系で運転されている踊り子号と他の(185系で運転されている)踊り子号に特急料金の差はなく、まして来春以降はE257系に統一されることになる。すると、(停車駅の多少が必ずしも運転時分の長短と一致しない現状で)列車によって停車駅の差をつける理由はあまり無いと言える。そう考えると、踊り子15号・4号が他の定期踊り子号に合わせて川崎・大船・小田原・湯河原に停車する便となるのは妥当な流れとも言える。実際、横浜支社のプレスリリースには「東京駅発着については停車駅を見直し、わかりやすくします。」との文言があった。

一方、定期踊り子号の中でも踊り子18号や(現在は185系の)踊り子5号といった新宿方面発着の系統は原則として横浜-熱海間無停車が維持される。

なお現時点では各種プレスリリースでは定期踊り子号のみ言及されているが、土休日運転の6号(東京行き)など臨時列車が川崎・大船や小田原・湯河原に追加停車になるかどうかも今後気になるところである。

網代駅停車の踊り子号は、定期列車では1日2往復のみに!

一方、本社プレスリリースには「※網代駅に停車する列車は、特急「踊り子3・13・4・16号」のみとなります。」との記載もある。

網代駅には現在、定期踊り子号だと「踊り子3・7・13・4・8・10・16号」の計7本が停車しているが、このうち半数近くが通過となり、上記4列車のみが停車列車として残ることになる。(土休日のみ運転などの臨時列車がどうなるかは現時点ではまだ分からない。)

網代駅は以前に比べて乗降客数が減っており、また2015年には伊東線の他の途中駅と同時に無人駅化されいる。そんな状況下での停車本数削減であり、今後の動向も気になるところである。

全体的にはほぼ現在のダイヤを踏襲か?

横浜支社のプレスリリースには、踊り子号・サフィール踊り子号の定期列車の全停車駅時刻が掲載されている。

この表を読み取る限り、定期列車の列車名(号数)「踊り子3・5・7・13・15号」「踊り子4・8・10・16・18号」および「サフィール踊り子1・2号」は変わっておらず、また始発終着駅の時刻は約1分程度、途中駅の時刻も数分以内程度の違いに収まっており、先述の停車駅変化以外はほぼ変わっていないと言える。修善寺方面に直通する列車(定期列車は3・13・8・16号)の時刻もほぼ現状維持のように見える。

現時点では定期列車以外のことは全く分からないが、ほぼ毎週末のように運転されている土休日運転の列車(号数1〜20号の範囲内の定期列車以外)も、定期列車の号数に変化がないことを踏まえると概ね現状維持であるとは推測される。強いて言えば、修善寺発着編成連結列車のうち運転日数の少ない17号(土曜運転)・2号(日曜運転)あたりが残るかも気になるところだ。

185系運用や我孫子発着は残る? 臨時列車の詳細は1月中旬以降のプレス・時刻表で判明か

熱海駅4番線に停車中の185系(7両編成)踊り子114号我孫子行き(2020/11/8)

熱海駅4番線に停車中の185系(7両編成)踊り子114号我孫子行き(2020/11/8)

また踊り子号の特殊な臨時列車として、多客期のみ増発される列車(現在の51〜58号)が存在し、中には我孫子発着(111号・114号)に延長となる便もある。これらについては現在は不明だが、例年通りなら1月中旬〜下旬と思われる春季臨時列車のプレスリリース、時刻表2月号(特急時刻先行発表)あたりで詳細が出るものと思われる。

料金体系が変化し、またE257系に付いている天井のランプ等も使用する都合上、臨時列車だとしても185系が使われる見込みは低そうだ。とはいえ、既に同様の料金体系となっている中央線系統でも未だに一部臨時あずさ・かいじ・富士回遊号でE257系(座席上ランプ無し/一部は総武線特急色5両)が充当されており、ごく少ない日程で185系が動く可能性も前例を元にすると絶対無いとまでは言えない、というところだろうか。

我孫子発着の踊り子号が残るかどうかについても気になるところだが、常磐線内でもE257系の試運転が行われたらしいことや、料金体系も常磐線特急と同様になることを踏まえると、来春以降も(E257系で)継続する可能性はある。

まとめ

以上、来春のダイヤ改正のうち、踊り子号について現在わかっている範囲でまとめ・推測を行ってみた。踊り子号は臨時列車の比率も高いため、臨時列車が発表されてやっと全貌が分かるようなところもあると言えるので、今後のプレスリリース等を心待ちにしたい。

踊り子号の新着席サービスも気になる一方、185系の踊り子号としての最後の活躍も見届けたいところだ。河津桜のシーズンには「情勢」が収まっていることを願いたいが…

*1:ライナーの折り返しだったスーパービュー踊り子3号の代替が185系踊り子5号となったため、入れ替わる形で踊り子7号の方がE257系運用になっていたものと思われる。