【2021春改正】平塚始発や本線経由化も!新設特急「湘南」号のダイヤを現行のライナーと比較

東京駅9番線に停車中のE257系踊り子51号伊豆急下田行き(2020/8/7)

東京駅9番線に停車中のE257系踊り子51号伊豆急下田行き(2020/8/7)
この日のように、平日朝ラッシュ時の東京駅でE257系が見られるのは来春から日常となる

先日2020年12月18日(金)、JRをはじめとした各鉄道事業者の2021年春ダイヤ改正プレスリリースが公開された。ダイヤ改正日は2021年3月13日(土)となり、東海道線系統のライナーの置き換えとなる特急「湘南」号は3月15日(月)から運転されることになる。

本記事では、湘南ライナー等に代わり全列車E257系で運転される特急「湘南」号のダイヤについて、先日発表された本社プレスリリース/横浜支社プレスリリースと現在の運転時刻を比較し、分かることについていくつか考察してみたい。

概要:停車駅やダイヤは、ほぼ現在の湘南ライナー等を維持

先に総論を述べておくと、特急湘南号は、全体的には概ね現在の湘南ライナー等のダイヤ・停車駅を維持する形で設定されると言える。特急化されても川崎・横浜は通過し、逆に藤沢・辻堂・茅ヶ崎・平塚・二宮・国府津(・朝のみ新橋)といった駅に特急が停車するようになる、ということである。

これを踏まえると、実質値上げになるというデメリットや、逆に早めに整理券を入手する必要が無いというメリットはあるものの、概ね今までと同じような客層になるものとは思われる。なお、大船以西で下りは快速化せず料金が必要となる一方、上りで該当区間特急券を予め購入すれば、藤沢や大船までに下車することも可能である。

以下、実際に時刻や車両・経由の違いを比較する形で考察してみたい。

上り(平日朝)

ダイヤ比較 

現在(〜2021/3/12) 新ダイヤ(2021/3/15〜)
          湘南2号 9両 平塚6:25 東京7:20
湘南ラ2号 15両 小田原6:19 東京7:49 湘南4号 14両 小田原6:20 東京7:38
OL新宿22号 10両 小田原6:25 新宿7:45 湘南22号 9両 小田原6:25 新宿7:45
湘南ラ4号 10両 小田原6:37 品川7:48 湘南6号 9両 小田原6:37 品川7:47
湘南ラ6号 [215] 小田原6:58 ※東京8:13 湘南8号 9両 小田原6:58 ※東京8:13
OL新宿24号 [215] 小田原7:09 新宿8:33 湘南24号 9両 小田原7:09 新宿8:33
湘南ラ8号 [215] 小田原7:22 ※東京8:48 湘南10号 14両 小田原7:22 ※東京8:48
OL新宿26号 10両 小田原7:41 新宿9:02 湘南26号 9両 小田原7:42 新宿9:02
湘南ラ10号 7両 小田原7:59 東京9:22 湘南12号 14両 小田原7:59 東京9:16
湘南ラ12号 15両 小田原8:09 東京9:26 湘南14号 9両 小田原8:19 東京9:33

OL新宿:おはようライナー新宿、湘南ラ:湘南ライナー

[215]:215系10両編成、他は185系(新ダイヤはE257系)の記載の両数

本:東海道本線経由(辻堂・大船にも停車)、貨:貨物線経由

※東京:東京駅地下ホーム(横須賀・総武)到着。新橋にも停車。

平塚始発の「湘南2号」が新設便!

湘南号運転開始に伴い、現在のライナーと比べて1本増便となっている。既存の時刻よりも早いタイミングで、平塚始発の便が設定されているのだ。

平塚始発の列車としては、現在平日は6:32始発の高崎行きが最初の便であるが(ダイヤ改正後にどうなるかは不明)、それよりも早い時間帯の設定となった。現状、平塚6:21(小田原5:58)発の普通列車が東京7:27着なので、湘南2号は東京に幾分か早く到着することのできる列車として活用できるだろう。

東京駅横須賀線地下ホーム着や新宿行きの本数・ダイヤは維持

平塚始発の新設便以外は列車の設定(タイミング・行き先・経由路線など)が現状とほぼ同じで、次項に示すものを除けばせいぜい数分程度の違いである部分がほとんどである。

新宿方面の列車のタイミングも、おはようライナー新宿22〜26号と湘南22〜26号でほぼ一致していえる。また、横須賀線に乗り入れたまま新橋・東京の地下ホームへ向かう列車2本も現在と同じ時間帯となっている。この2本は現在は215系10両編成での運転だが、2本目の湘南10号は14両編成で横須賀線地下ホームに乗り入れることになる。

特急化・本線経由化(貨物線経由減便)により速達傾向?

ただし2〜3点ほど、やや大きな相違点もある。

まず、小田原発の最初の便である湘南ライナー2号→湘南4号が、東京に約10分早く着くようになる。大船まではほとんど時刻に変化がなくそこから速度が向上するので、横浜駅で先行の普通列車を追い抜くようになる可能性もある。なお、長編成(15両編成→14両編成)である点は維持されている。

また、最後の2便にもいろいろ変化がある。最後の便である湘南ライナー12号→湘南14号は、運転時刻が約10分後ろ倒しされる。その前の便である湘南ライナー10号は貨物線経由のため停車駅が少ないながらも時間がかかり、東京駅では後続の12号に4分差まで迫られるのに対し、湘南12号は本線経由で辻堂や大船などにも停車した上で東京着は数分早まっている。横須賀線の容量も(相鉄直通の増発などもあり)限界に近いので、特急化により(整理券発行の手間がなく)低コストで停車駅も増やせて時間短縮にもなる本線系統化はなかなか良い施策にも見える。なおこれらの変更にあたり、長編成列車が最終便(湘南ライナー12号:15両編成)からその1本前(湘南12号:14両編成)に変更となっている。

下り(平日夜)

ダイヤ比較

現在(〜2021/3/12) 新ダイヤ(2021/3/15〜)
          湘南1号 9両 東京18:00 小田原19:12
湘南ラ1号 [215] 東京18:30 小田原19:43 湘南3号 9両 東京18:30 小田原19:43
湘南ラ3号 [215] 東京19:00 小田原20:21 湘南5号 14両 東京19:00 小田原20:09
湘南ラ5号 15両 東京19:30 小田原20:45 湘南7号 14両 東京19:30 小田原20:41
HL小田原21号 7両 新宿19:30 小田原20:58 湘南21号 9両 新宿19:30 小田原20:51
湘南ラ7号 10両※ 東京20:00 小田原21:19 湘南9号 9両 東京20:00 小田原21:11
湘南ラ9号 [215] 東京20:30 小田原21:43 湘南11号 14両 東京20:30 小田原21:40
湘南ラ11号 10両 東京21:00 小田原22:12 湘南13号 9両 東京21:00 小田原22:11
湘南ラ13号 15両 東京21:30 小田原22:43          
HL小田原23号 10両 新宿21:30 小田原22:50 湘南23号 9両 新宿21:30 小田原22:49
          湘南15号 9両 東京22:00 小田原23:10
湘南ラ15号 10両 東京22:30 小田原23:43          
          湘南17号 9両 東京23:00 小田原24:12
湘南ラ17号 10両※ 東京23:30 小田原24:45          

HL小田原:ホームライナー小田原、湘南ラ:湘南ライナー

[215]:215系10両編成、他は185系(新ダイヤはE257系)の記載の両数

10両※:湘南ライナー7号・11号は金曜日は15両編成

本:東海道本線経由(大船・辻堂にも停車)、貨:貨物線経由

東京発時刻、全体的に30分繰り上げ

下り湘南号の時刻は、ライナー時代と概ね同じで早い時間帯・遅い時間帯のみ一部変更となっている。見方を変えれば、1〜17号の東京発時刻は全体的に見れば「30分早発」になったとも言える。21・23号の新宿始発は19:30発・21:30発で変化がない。

遅い時間帯の方について述べると、現・湘南ライナー17号は小田原24:45着で、一応繰り上げ後の終電よりは前の列車である。ただ、時勢の影響で全体的に旅客の需要が早い時間帯にズレていると思われることや到着後の回送などを考えると、湘南号の最終列車を今より早めておくに越したことはないものと思われる。

早い時間帯重視というのは、長編成列車の設定時間帯にも見て取れる。現在は東京19:30発、21:30発(+金曜は20:00発、23:30発)が15両編成だが、改正後の14両編成の列車は19:00発、19:30発、20:30発となっている。

なお、運転時間帯変更によって、都心21:30発の列車が2本設定されていたのが解消されていた。これにより、東海道線方面の到着時刻が1時間近く空いていたのが解消され、均等な運転間隔となった。

東京発は全列車が本線経由に!所要時間も短縮傾向に

現在の湘南ライナー1号(東京18:30発・今年度は215系充当)は、品川駅を出ると横須賀線東海道貨物線に入り、藤沢・茅ヶ崎のライナー専用ホームに停車した後は小田原までノンストップとなっている。しかし改正後は、東京発の便は全て東海道本線経由となり、1〜17号全列車が大船・辻堂・平塚・国府津にも停車するようになる。東京18時台発でそれらの駅に停車する着席保証列車が2本増発する、という言い方もできるだろうか。

また、ライナー整理券制度の廃止による効果なのかほぼ全列車が品川駅を1分早発できるようになり、またその他ダイヤの融通も効かせたのか、大船駅以降では現在よりも数分程度早着する列車が多い。貨物線経由だった東京18:30発の便も、本線経由となり藤沢や茅ヶ崎に数分早着し、小田原も同時刻着となる。

ちなみに、二宮駅には新宿始発および東京20:00発の便(湘南ライナー7号→湘南9号)の計3本が停車する点は現状と変わらない。

東京22:00発は湘南15号に。サンライズ号の発車時刻変更を示唆?

ところで湘南号の時刻表が公示されたことで、1つの疑問が生じた。東海道線の東京22:00発といえば長い間「寝台特急サンライズ瀬戸・出雲号」の発車時刻であったが、ここに来て「湘南15号」が東京22:00発と発表されたのである。つまり、下りサンライズ号の運転時刻が多少なりとも前後することになる。

サンライズ号の進退は現時点で特に言及されていないはずだが、首都圏や関西圏で夜間工事時間確保も視野に入れた終電繰り上げが行われる状況下であり、夜行列車の運転時刻に変化が生じても不思議ではないタイミングである。もっとも、下りサンライズ普通列車の終電時間帯を走るのはJR東海区間であり、JR東海からは終電時刻変更に関するプレスリリース等は出ていない。(なお、上りサンライズ号は終電繰り上げとなる関西圏で終電時間帯を迎えるため、こちらも主に大阪以西の停車駅での時刻変更が気になるところである。)

ライナー及びサンライズ号の始発ホームは9番線であるが、現在はサンライズ号前後30分の位置にライナーの始発が設定されている。サンライズ号・ライナーいずれも発車約20分前の入線となっている。

改正後は21:00、22:00、23:00に湘南号の始発があり、サンライズ号の出発時刻は不明な状態である。仮にこれら4列車が引き続き9番線始発だとすると、それらの列車間隔はいくらか空いている必要があるだろう。現在のライナーは整理券の確認等が必要・一部ドアのみ開くようにする、などの理由で余裕を持って入線する必要があるが、特急化すれば比較的発車直前の入線も可能になるであろう。サンライズ号も20分前の入線が絶対必要というわけでは無いが、慣例的には(乗客の写真撮影等の事情も考えると?)ある程度の時間が確保される傾向にはある。(なお、サンライズ出雲号の上り列車は出雲市駅に発車約5分前の入線となっているが、東京駅と比べると乗車人数が少ないため成り立っていることだとも言える。)

それらを踏まえると、サンライズ出雲号の新しい出発時刻の候補としては21:30〜21:40〜21:50あたりが有力と考えられる。なお現在、平日21:50(土休日21:49)には10番線始発で通勤快速(土休日は快速アクティー)が設定されている。ダイヤ改正で通勤快速は平日も快速アクティー化(川崎・横浜・戸塚停車化)することが決まっているが、この列車の運転時刻については今の所言及されておらず、サンライズ共々気になるところである。

なお、サンライズ号のホーム滞在時間帯短縮や湘南15号が10番線始発の場合、またそのどちらかが8番線始発となるような場合には、より現状の22:00に近い時刻にサンライズ号の始発時刻が設定される可能性もある。

まとめ

大船駅3番線を発車した185系(15両編成)湘南ライナー5号小田原行き(2020/12/4)

大船駅3番線を発車した185系(15両編成)湘南ライナー5号小田原行き(2020/12/4)

以上、来春の平日から運転が開始される特急・湘南号のダイヤについて、現在の湘南ライナー等と比較する形で分析してみた。

ダイヤは現状のライナーと比べて大きな変化はないことが分かったが、それ以外の変化である特急料金化・全車指定席化・車両統一などによる乗客の増減が気になるところである。サンライズ号の運転時刻変更等も含めて、ダイヤ改正後の動向を見守っていきたいところである。