【旅行記】「快速急行長瀞・三峰口行き」「レッドアロー」に乗ってみた(2020/2/23)

ホームドアの無い池袋駅7番線に停車中の4000系快速急行長瀞・三峰口行き(2020/2/23)

ホームドアの無い池袋駅7番線に停車中の4000系快速急行長瀞・三峰口行き(2020/2/23)

2020年3月のダイヤ改正では西武池袋線にもそこそこ大きな動きがある*1。今回のダイヤ改正前で終了する要素の中に「土休日のみ残っていた秩父鉄道直通列車(4000系)の池袋乗り入れ(三峰口・長瀞発着列車)」「レッドアロー撤退(全列車Laview化)」がある。

三峰口・長瀞発着の秩父鉄道直通列車自体はダイヤ改正後も飯能発着として残り、レッドアローも西武新宿線に残りはする。車両運用の統一化(新車置き換え)・利便性向上の観点から妥当とは思えるが、むしろ池袋口にクロスシート付きの4000系8両(4+4両・2ドア)の列車が今まで残っていたことが奇跡に近いのかもしれない。

今回、運転終了の知らせが動機とはなってしまったが、いつか乗ってみたかった「池袋始発 快速急行長瀞・三峰口行き」に池袋から乗車することにした。

池袋(7:05発)

西武池袋線池袋駅6:59時点での発車案内(2020/2/23)  2列車目に「快急 三峰口 長瀞」の文字が見える

西武池袋線池袋駅6:59時点での発車案内
2列車目に「快急 三峰口 長瀞」の文字が見える

池袋駅7番線に入線した4000系快速急行長瀞・三峰口行き  ドアが開く前から多数の乗客が並んでいた

池袋駅7番線に入線した4000系快速急行長瀞・三峰口行き
ドアが開く前から多数の乗客が並んでいた

池袋発7:05発および8:05発の快速急行長瀞・三峰口行きに使われる西武4000系4+4両の車両は、飯能方面から回送列車として入線してくる。2ドア車両なので、ホームドアの無い7番線に入線する仕様であった。

夕方の長瀞・三峰口始発の急行池袋行きも到着専用ホームのうちホームドアの無い1番線に到着し、また折り返し回送列車となっていた。運用の非効率性も、4000系池袋直通廃止の大きな要因と考えられる。

長瀞ゆき側の方向幕表示
三峰口行き側の方向幕表示
4000系快速急行長瀞・三峰口行きそれぞれの方向幕表示
「この車両は○○ゆき」という表記が特徴的である

池袋-飯能間では、前4両が長瀞行き・後4両が三峰口行きである。全車両で方向幕に「長瀞・三峰口」行きと表示されるが、下に小さく注意書きで「この車両は○○ゆき」と表示されるのが、近隣の会社ではあまり見ない表記であろうか。

秩父鉄道はIC未対応なので予め池袋駅で購入した紙の乗車券

秩父鉄道はIC未対応なので予め池袋駅で購入した紙の乗車券
計1,240円とは三峰口までの金額である

池袋発車時点ではほぼ全席埋まっており、各車両何人か立っている程度の混雑度合いであった。また、おそらく登山目的と思われる乗客が多数おり、主に飯能以降の何駅かで降車していった。登山客は飯能よりも前(主に池袋)から乗車したと思われる乗客が多く、この列車自体の需要が高かったとも言えるだろう。しかしダイヤ改正以降は、そのような乗車パターンの場合には一旦急行飯能行きに乗車の上で乗り換えとなる。

飯能(7:49着/7:52発)

飯能駅2・3番線に到着した快速急行長瀞・三峰口行き

飯能駅2・3番線に到着した快速急行長瀞・三峰口行き

飯能駅の発車標では「各停」扱いだが、車両の方向幕では横瀬まで「快速急行」表記が続く

飯能駅の発車標では「各停」扱いだが、車両の方向幕では横瀬まで「快速急行」表記が続く

列車は飯能駅に到着し、(三峰口行きにとっては計2回中1度目の)スイッチバックを行った。今度は三峰口行きが前4両、長瀞行きが後4両となって秩父方面に出発していく。

吾野(8:14着/8:21発)

吾野駅を通過するLaview特急ちちぶ池袋行きと、停車中の4000系長瀞・三峰口行き

吾野駅を通過するLaview特急ちちぶ池袋行きと、停車中の4000系長瀞・三峰口行き

飯能から先は単線になるので、途中何回か対向待ちの停車があった。

吾野駅では対向列車2本待ち(Laview通過・普通列車到着)のため7分ほど停車した。一旦下車して車両等の撮影を行う乗客も筆者の他に何人かいた。

横瀬(8:41着/8:43発)

横瀬駅に到着した長瀞・三峰口行き この後切り離しが行われ、三峰口行きが先に発車する

横瀬駅に到着した長瀞・三峰口行き
この後切り離しが行われ、三峰口行きが先に発車する

列車は横瀬駅に到着し、前4両と後4両が切り離しとなる。ここまで「快速急行」と表示されていた方向幕は、横瀬駅停車中に「各停」に切り替わる。

三峰口行きはすぐ出発となるが、長瀞行きは9分ほど停車となる。その間に後続の特急ちちぶ西武秩父行きからの接続を受け、特急の後に発車することになる。

筆者は、三峰口行きの方に乗車して早速横瀬駅を出発した。

西武秩父(8:47着/8:57発)

西武秩父駅2番線に停車中の4000系三峰口行きと、1番線に到着したLaview車両

西武秩父駅2番線に停車中の4000系三峰口行きと、1番線に到着したLaview車両

三峰口行きは西武秩父駅に到着、ここで10分の停車となる。

しばらくすると、横瀬駅長瀞行きに接続したLaview車両の特急が1番線に到着した。

御花畑駅を出発し西武秩父駅のすぐ横を走り抜ける秩父鉄道5000系

御花畑駅を出発し西武秩父駅のすぐ横を走り抜ける秩父鉄道5000系

 その後、西武秩父駅の横の線路を、三峰口行きの秩父鉄道の車両が通り過ぎた。

西武秩父駅のすぐ横を走り抜け御花畑駅に向かう西武4000系長瀞行き

西武秩父駅のすぐ横を走り抜け御花畑駅に向かう西武4000系長瀞行き

さらにその直後、先ほどまで三峰口行きに連結されていた長瀞行きが秩父鉄道に転線し、西武秩父駅横の線路を通り過ぎていった。この列車は、西武秩父駅のホームからギリギリ見えるか見えないかという位置にある御花畑駅に入線する。

西武秩父駅の頭端側からギリギリ見える秩父鉄道御花畑駅 先ほどの4000系長瀞行きが停車しているのがかすかに見える

西武秩父駅の頭端側からギリギリ見える秩父鉄道御花畑駅
先ほどの4000系長瀞行きが停車しているのがかすかに見える

3番線に停車していた飯能行きが先に出発し、程なくして三峰口行きも二度目のスイッチバックを行って西武秩父駅を出発し、秩父鉄道の線路に入線した。

西武秩父駅発車時点での4000系三峰口行き車内

西武秩父駅発車時点での4000系三峰口行き車内

西武秩父を発車する時点で、既に車内は空席が目立つ状態だった。先ほど側線を通過した長瀞行きを見る限り、どちらかと言えば長瀞行きの方が乗車率が高かったようにも思えるが、いずれにしても池袋口からの直通需要の多くは、実は西武秩父までの区間にあったのかもしれない。(確かに、途中駅の一部で登山客が数人ずつ降りているような感じだった。)

三峰口(9:17着)

そして列車は、西武秩父から20分ほどで終点の三峰口駅に到着した。池袋7:05発・三峰口9:17着。長いような短いような2時間12分であった。

三峰口駅に到着した西武4000系

三峰口駅に到着した西武4000系
4000系の幕表示は到着直後に急行池袋行きに変わっている

車両からも、それ以上に案内看板からも、レトロな雰囲気を感じる(三峰口駅1番線)

車両からも、それ以上に案内看板からも、レトロな雰囲気を感じる(三峰口駅1番線)

秩父鉄道7500系と西武鉄道4000系の並び

秩父鉄道7500系と西武鉄道4000系の並び

一旦引き上げ線に入る西武4000系

一旦引き上げ線に入る西武4000系

三峰口駅に展示されていたSL写真やあの花コラボヘッドマーク

三峰口駅に展示されていたSL写真や「あの花」コラボヘッドマーク

関東の駅百選に認定されている三峰口駅

関東の駅百選に認定されている三峰口駅

朝9時台という時間帯だが、併設のうどん・そば屋も営業中だった

朝9時台という時間帯だが、併設のうどん・そば屋も営業中だった

秩父鉄道三峰口の駅舎

秩父鉄道三峰口の駅舎

三峰口駅の向かいにあるバス停からは、三峯神社や秩父湖に向かうことができる

三峰口駅の向かいにあるバス停からは、三峯神社秩父湖に向かうことができる

三峰口駅周辺を簡単に散策し、名残惜しいが後の予定もあったので次の列車で折り返すことにした。

三峰口→御花畑西武秩父

三峰口駅に到着した秩父ジオパークトレインと、まもなく発車するラグビーワールドカップコラボの車両

三峰口駅に到着した秩父ジオパークトレインと、まもなく発車するラグビーワールドカップコラボの車両
武州中川駅・浦山口駅の駅名標
浦山口駅の駅名標
途中で停車した武州中川駅浦山口駅駅名標

御花畑駅を出発する秩父鉄道7500系羽生行き

御花畑駅を出発する秩父鉄道7500系羽生行き

桜柄があしらわれた、御花畑駅の駅名標

桜柄があしらわれた、御花畑駅駅名標
西武線直通列車用ホームの時刻表
西武線直通ホームの駅名標
西武線直通ホームの壁
向かい側の御花畑駅2番線西武線直通列車用ホーム

東京方面への帰路は熊谷経由、寄居乗り換え東武東上線など色々あったが、池袋線のレッドアロー乗り納めの意味も込めて来た道をそのまま戻ることにした。秩父鉄道から西武への直通列車は夕方まで無いので、御花畑駅で下車した上で西武秩父駅まで徒歩で移動した。

西武秩父駅への連絡通路案内看板
御花畑駅への連絡通路案内看板
西武秩父駅御花畑駅への連絡通路案内看板

西武秩父駅付近を走行中の、「あの花」ラッピングの西武観光バス

西武秩父駅付近を走行中の、「あの花」ラッピングの西武観光バス

西武秩父駅の隣にある「西武秩父駅前温泉 祭の湯」外観

西武秩父駅の隣にある「西武秩父駅前温泉 祭の湯」外観

西武秩父駅構内

西武秩父駅構内

レッドアロー号乗車(西武秩父10:25→11:44池袋)

西武秩父駅1番線に停車中のレッドアロー特急ちちぶ22号池袋行き

西武秩父駅1番線に停車中のレッドアロー特急ちちぶ22号池袋行き

昨年秋のLaview追加投入で池袋線の特急は約半数がLaview運用となり、早くもこの春からLaview統一となる。レッドアロー自体も引退ではなく、引き続き新宿線の特急小江戸号として運転される。

ニューレッドアローの車体側面
ニューレッドアローの方向幕(特急ちちぶ池袋)
ニューレッドアローの車体側面と方向幕

ニューレッドアロー7号車車内

ニューレッドアロー7号車車内

西武秩父駅10:25発、池袋11:44着。79分間の乗車で終点池袋に到着した。

3連休の中日の午前中というタイミングだが、所沢で一気に乗客が増え窓側は全座席埋まる程度の乗車率だった。

池袋駅特急ホームに停車中のレッドアロー
特急ちちぶ 西武秩父
池袋駅特急専用ホームに到着し、折り返し西武秩父行きとなる

以上、ダイヤ改正西武池袋線から消える2列車を乗車してみたというレポートをお送りした。

なお何度も繰り返しとなるが、三峰口・長瀞行きの特徴的な増解結は今後も飯能発着の列車として見ることができ、レッドアローは新宿線で引き続き乗車することができる。土休日の三峰口・長瀞発着の列車とは、下り上り共に池袋-飯能間の急行が接続し、上りは始発Fライナー接続もある。

本記事通りの乗車ができるのこそ今週末で最後だが、ダイヤ改正後も部分的には同様の、あるいは新しい楽しみ方ができるとも言える。個人的にも秩父秩父鉄道沿線の観光も含め、また改めてゆっくりと乗りに行きたいと思う。