2020年3月のダイヤ改正では西武池袋線にもそこそこ大きな動きがある*1。今回のダイヤ改正前で終了する要素の中に「土休日のみ残っていた秩父鉄道直通列車(4000系)の池袋乗り入れ(三峰口・長瀞発着列車)」「レッドアロー撤退(全列車Laview化)」がある。
三峰口・長瀞発着の秩父鉄道直通列車自体はダイヤ改正後も飯能発着として残り、レッドアローも西武新宿線に残りはする。車両運用の統一化(新車置き換え)・利便性向上の観点から妥当とは思えるが、むしろ池袋口にクロスシート付きの4000系8両(4+4両・2ドア)の列車が今まで残っていたことが奇跡に近いのかもしれない。
今回、運転終了の知らせが動機とはなってしまったが、いつか乗ってみたかった「池袋始発 快速急行長瀞・三峰口行き」に池袋から乗車することにした。
- 池袋(7:05発)
- 飯能(7:49着/7:52発)
- 吾野(8:14着/8:21発)
- 横瀬(8:41着/8:43発)
- 西武秩父(8:47着/8:57発)
- 三峰口(9:17着)
- 三峰口→御花畑…西武秩父
- レッドアロー号乗車(西武秩父10:25→11:44池袋)
池袋(7:05発)
池袋発7:05発および8:05発の快速急行長瀞・三峰口行きに使われる西武4000系4+4両の車両は、飯能方面から回送列車として入線してくる。2ドア車両なので、ホームドアの無い7番線に入線する仕様であった。
夕方の長瀞・三峰口始発の急行池袋行きも到着専用ホームのうちホームドアの無い1番線に到着し、また折り返し回送列車となっていた。運用の非効率性も、4000系池袋直通廃止の大きな要因と考えられる。
池袋-飯能間では、前4両が長瀞行き・後4両が三峰口行きである。全車両で方向幕に「長瀞・三峰口」行きと表示されるが、下に小さく注意書きで「この車両は○○ゆき」と表示されるのが、近隣の会社ではあまり見ない表記であろうか。
池袋発車時点ではほぼ全席埋まっており、各車両何人か立っている程度の混雑度合いであった。また、おそらく登山目的と思われる乗客が多数おり、主に飯能以降の何駅かで降車していった。登山客は飯能よりも前(主に池袋)から乗車したと思われる乗客が多く、この列車自体の需要が高かったとも言えるだろう。しかしダイヤ改正以降は、そのような乗車パターンの場合には一旦急行飯能行きに乗車の上で乗り換えとなる。
飯能(7:49着/7:52発)
列車は飯能駅に到着し、(三峰口行きにとっては計2回中1度目の)スイッチバックを行った。今度は三峰口行きが前4両、長瀞行きが後4両となって秩父方面に出発していく。
吾野(8:14着/8:21発)
飯能から先は単線になるので、途中何回か対向待ちの停車があった。
吾野駅では対向列車2本待ち(Laview通過・普通列車到着)のため7分ほど停車した。一旦下車して車両等の撮影を行う乗客も筆者の他に何人かいた。
横瀬(8:41着/8:43発)
列車は横瀬駅に到着し、前4両と後4両が切り離しとなる。ここまで「快速急行」と表示されていた方向幕は、横瀬駅停車中に「各停」に切り替わる。
三峰口行きはすぐ出発となるが、長瀞行きは9分ほど停車となる。その間に後続の特急ちちぶ号西武秩父行きからの接続を受け、特急の後に発車することになる。
筆者は、三峰口行きの方に乗車して早速横瀬駅を出発した。
西武秩父(8:47着/8:57発)
三峰口行きは西武秩父駅に到着、ここで10分の停車となる。
しばらくすると、横瀬駅で長瀞行きに接続したLaview車両の特急が1番線に到着した。
その後、西武秩父駅の横の線路を、三峰口行きの秩父鉄道の車両が通り過ぎた。
さらにその直後、先ほどまで三峰口行きに連結されていた長瀞行きが秩父鉄道に転線し、西武秩父駅横の線路を通り過ぎていった。この列車は、西武秩父駅のホームからギリギリ見えるか見えないかという位置にある御花畑駅に入線する。
3番線に停車していた飯能行きが先に出発し、程なくして三峰口行きも二度目のスイッチバックを行って西武秩父駅を出発し、秩父鉄道の線路に入線した。
西武秩父を発車する時点で、既に車内は空席が目立つ状態だった。先ほど側線を通過した長瀞行きを見る限り、どちらかと言えば長瀞行きの方が乗車率が高かったようにも思えるが、いずれにしても池袋口からの直通需要の多くは、実は西武秩父までの区間にあったのかもしれない。(確かに、途中駅の一部で登山客が数人ずつ降りているような感じだった。)
三峰口(9:17着)
そして列車は、西武秩父から20分ほどで終点の三峰口駅に到着した。池袋7:05発・三峰口9:17着。長いような短いような2時間12分であった。
三峰口駅周辺を簡単に散策し、名残惜しいが後の予定もあったので次の列車で折り返すことにした。
三峰口→御花畑…西武秩父
東京方面への帰路は熊谷経由、寄居乗り換え東武東上線など色々あったが、池袋線のレッドアロー乗り納めの意味も込めて来た道をそのまま戻ることにした。秩父鉄道から西武への直通列車は夕方まで無いので、御花畑駅で下車した上で西武秩父駅まで徒歩で移動した。
レッドアロー号乗車(西武秩父10:25→11:44池袋)
昨年秋のLaview追加投入で池袋線の特急は約半数がLaview運用となり、早くもこの春からLaview統一となる。レッドアロー自体も引退ではなく、引き続き新宿線の特急小江戸号として運転される。
西武秩父駅10:25発、池袋11:44着。79分間の乗車で終点池袋に到着した。
3連休の中日の午前中というタイミングだが、所沢で一気に乗客が増え窓側は全座席埋まる程度の乗車率だった。
以上、ダイヤ改正で西武池袋線から消える2列車を乗車してみたというレポートをお送りした。
なお何度も繰り返しとなるが、三峰口・長瀞行きの特徴的な増解結は今後も飯能発着の列車として見ることができ、レッドアローは新宿線で引き続き乗車することができる。土休日の三峰口・長瀞発着の列車とは、下り上り共に池袋-飯能間の急行が接続し、上りは始発Fライナー接続もある。
本記事通りの乗車ができるのこそ今週末で最後だが、ダイヤ改正後も部分的には同様の、あるいは新しい楽しみ方ができるとも言える。個人的にも秩父や秩父鉄道沿線の観光も含め、また改めてゆっくりと乗りに行きたいと思う。
*1:2020年3月14日(土)ダイヤ改正を実施します - 西武鉄道(2020/1/29)