横須賀線上り(普通)・総武線快速下り快速の成田空港行き列車には、かつて「エアポート成田」という列車名が付けられていた。1991年の成田空港駅開業以来、基本的には成田空港方面の列車のみが名乗っていた列車名である。2年前(2018年)のダイヤ改正の際に特急「成田エクスプレス」との違いを明確にするために愛称が廃止され、単なる快速成田空港行きとなった*1。
E217系は、1994年のデビューあるいは1999年のE217系統一以来、約20年間「エアポート成田」として運転されてきた実績がある。本記事では、「エアポート成田」に関する写真を何枚か取り上げて振り返ってみたい。
「エアポート成田」として運転されていたE217系には、前面に「エアポート成田」の幕が表示されていた。他の列車、あるいは列車名を関していない成田空港発の列車では「横須賀線-総武線」などと表示されている箇所であり、成田空港行きや回送の時には表示が変更になる。
側面の行先表示機の表示にも、「エアポート成田」は設定されていた。3色LEDで行き先はオレンジ、ローマ字表記は緑色、そして「エアポート成田」およびそれを囲んだ枠は赤色で表示されていた。
なお、方向幕時代にも「エアポート成田」が列車名として表示された幕が用意されていたようである。
「エアポート成田」および現在の成田空港行きは、最も遠方で横須賀線の久里浜駅から運転されている。横須賀線方面の成田エクスプレスは基本的に大船まで(一時期の臨時列車は横須賀まで)なので、成田エクスプレスよりも遠い駅まで、よりきめ細やかに停車しつつ成田空港駅まで直通で結んでいる列車と言える。
「エアポート成田」は、15両または11両の状態で成田空港まで運転されていた。11両の成田空港行きに4両編成の鹿島神宮行きや成東行きが連結されることもあり、その場合でも切り離しを行う佐倉駅までは列車全体で「エアポート成田」を名乗っていたようである。
ちなみに、横須賀線の早朝上り2番列車は成田空港行きである。例えば2010年3月の横須賀線武蔵小杉駅開業日の上り2番列車は「エアポート成田」であった。
なお、その4分後には途中でエアポート成田を追い越し成田空港駅に先着する「成田エクスプレス」が設定されていた。このように、成田空港発着の総武線快速(それこそ当時の「エアポート成田」など)が、途中の市川や千葉などで成田エクスプレスに追い抜かれる場合も割と多い。