渋谷までB自由席特急券で行ける時代

横浜→渋谷のB自由席特急券(2020/3/19)

横浜→渋谷のB自由席特急券(2020/3/19)

ダイヤ改正から、新宿方面を発着する踊り子号が渋谷駅に停車するようになった。この踊り子号とは、文字通り「踊り子」号の定期列車(毎日運転+土休日運転)を含めてである。

サフィール踊り子号(渋谷停車)や引退したスーパービュー踊り子号(渋谷通過)、あるいは旧来から渋谷駅に停車していた成田エクスプレス号は「全車指定席」の列車であった。一方で185系やE257系を使用する踊り子号は「自由席」を連結しているため、渋谷駅発着の自由席特急券を購入・利用できるようになった。少なくとも定期列車としては初めてと思われる。

また、サフィール踊り子や成田エクスプレス等はA特急料金でやや高めだが、普通の踊り子号はB特急料金なので、短距離(50km以内)なら520円で自由席に乗車することができる。これは、湘南新宿ライン等の普通列車グリーン料金(50km以内事前購入で平日780円・土休日580円)よりも安い金額である。

渋谷駅に到着したE257系踊り子18号池袋行き(2020/3/19)

渋谷駅に到着したE257系踊り子18号池袋行き(2020/3/19)

サムネの「横浜→渋谷」の自由席特急券だが、上りの新宿方面行きの踊り子号は、ダイヤ改正後は今のところ平日・土休日ともに「踊り子18号」(E257系充当・池袋行き)の1本のみであり、またその他のB特急でも通常結ばれていないので、渋谷着上り方面自由席特急券は実質「踊り子18号」のためにあるような特急券となる。その「踊り子18号」は夕ラッシュ時間帯に都心を走る列車(時刻例として横浜18:25発、渋谷18:52着)である。伊豆・熱海方面からはもちろんのこと、短距離だが横浜からでも湘南新宿ライングリーン車代わりにはなる(料金が安く、しかも窓側にコンセントも設置されている)。自由席は先頭2両(8・9号車)であり、渋谷(〜2020/5/29)あるいは新宿の改札に近い側でもある。

下りにも新宿方面発・自由席付き踊り子号があり、土休日運転の「踊り子1号」(E257系・新宿8:30発)、毎日運転の「踊り子5号」(185系・平日新宿9:25発、土休日池袋9:14発)の平日1本・土休日2本である。停車駅はいずれも(池袋、)新宿、渋谷、武蔵小杉、横浜…(その次は熱海)である。この2列車で渋谷「まで」自由席を利用するケースはさすがにほぼ無いであろうが、渋谷「から」(特に熱海・伊豆方面へ)利用するケースは普通に考えられる。

E257系踊り子号の座席上に取り付けられているランプ(2020/3/20) ひたち/ときわ(E657系)・あずさ/かいじ(E353系)等と同じものと思われる

E257系踊り子号の座席上に取り付けられているランプ(2020/3/20)
ひたち/ときわ・あずさ/かいじ等と同じものと思われる

踊り子号向けにリニューアルされたE257系の座席上には、ひたち号やあずさ号に見られるような座席上のランプらしきものが取り付けられている。このことから、約1年後に185系が引退し踊り子号がE257系で統一される際には、常磐線特急や中央線特急と同様な「全車指定席」「座席未指定券」等の制度になるという推測も各所で見られる。

渋谷発着の踊り子号の自由席特急券を利用できるのは、もしかしたらこの1年限りのことかもしれない。