3ヶ月だけ見られた「特急3連続」今は?(武蔵小杉駅3番線)

まだ武蔵小杉駅スーパービュー踊り子号が来ていた頃、上下1本ずつの定期列車いずれの直後にも成田エクスプレス号が走る「特急2連続」のダイヤであった。

ダイヤ改正前の先日、午前中に見られる下り特急2本連続の様子を見に行こうとふと発車標を見たところ…実はある意味「3連続」だったということに気づいた。

発車標に並ぶ3本の「特急」

武蔵小杉駅横須賀線ホームに「特急」が3連続で…!?(2020/2/29)

武蔵小杉駅横須賀線ホームに「特急」が3連続で…!?(2020/2/29)

このように、武蔵小杉駅3番線の発車標に確かに「特急」の表記が3本連続で並んでいた。1・2本目は正真正銘のJR特急、3本目は後々特急になる列車である。

「特急」の正体(2020/2/29)

「特急」の正体(2020/2/29)
…あれ、海老名行きの方面表記が間違ってないか??

JR特急2本は「スーパービュー踊り子3号」「成田エクスプレス4号」の2本である。奇数号と偶数号の列車が連続で来るのも珍しいが、踊り子は下り方面、成田エクスプレスは(成田方面を下りとして)上り方面の列車であることに起因する。

1本目 9:45発 特急スーパービュー踊り子3号 伊豆急下田行き

武蔵小杉9:45発 251系スーパービュー踊り子3号伊豆急下田行き(2020/2/29)

武蔵小杉9:45発 251系スーパービュー踊り子3号伊豆急下田行き(2020/2/29)

1本目は、2020年3月13日で引退となった「スーパービュー踊り子3号」である。横須賀線武蔵小杉駅開業時からこの時間に停車しており、武蔵小杉から伊豆方面への観光に大変役立つ列車となっていた。

ダイヤ改正後も伊豆方面への特急列車はほぼ同時刻で残り、185系の「踊り子5号」が運転されている。

2本目 9:48発 特急成田エクスプレス4号 大船行き

武蔵小杉9:48発 E259系成田エクスプレス4号大船行き(2020/2/29) 現在は新宿方面のNEXに置き換わり運転されていない

武蔵小杉9:48発 E259系成田エクスプレス4号大船行き(2020/2/29)
現在は新宿方面のNEXに置き換わり運転されていない

続いて2本目は、成田空港を8:13に発車するその日2本目のNEX・成田エクスプレス4号である。横須賀線武蔵小杉駅開業からずっと、スーパービュー踊り子3号の直後に来る列車となっていた(なお2010年当時は成田エクスプレス6号)。

ダイヤ改正成田エクスプレス4号は12両すべてが新宿方面(池袋)行きとなってしまったため、武蔵小杉駅における「特急3連続」はわずか3ヶ月半で終了することになる。

3本目 9:51発 「相鉄線内特急」各駅停車 海老名行き

武蔵小杉9:51発 相鉄12000系海老名行き(2020/2/29)

武蔵小杉9:51発 相鉄12000系海老名行き(2020/2/29)

そしてまさかの3本目、2019年11月30日のダイヤ改正で生まれた相鉄線直通の列車である。厳密には武蔵小杉時点では「各駅停車」なのだが、「相鉄線特急」と表示される。「特急3連続」と言うにはやや無理があるが、発車標に「特急」の文字が3列車連続で並ぶという珍しい事態にはなったのである。

なお平日・土休日共に9:51発、所定は相鉄12000系の運用であり、現在も変わらず運転されている。

現在は「3連続」解消

ダイヤ改正後の武蔵小杉駅3番線の9:45時点での発車標(2020/3/15)

ダイヤ改正後の武蔵小杉駅3番線の9:45時点での発車標(2020/3/15)

上記でも述べたが、2本目の成田エクスプレス4号が横浜方面に来ない列車となったため、「特急3連続」は僅か3ヶ月半ほどで見られなくなってしまった。朝ラッシュ後という時間もあり、ダイヤ乱れでこの順番通りに列車が来ないことも多々あったと思われる。

ダイヤ改正後に走るようになった185系踊り子5号(2020/3/15)

ダイヤ改正後に走るようになった185系踊り子5号(2020/3/15)

なおダイヤ改正以前「スーパービュー踊り子3号」が走っていた時刻には、185系充当の「踊り子5号」が走るようになった。平日は「おはようライナー新宿26号」の折り返し運用ということもあり、新型のE257系リニューアル車両ではなく旧来の185系が使用されている。この列車も、約1年後には引退間際の車両としてより注目されるようになるのかもしれない。

補足1:新川崎へは何本待ち?何分待ち?

こんなに「特急」が連続で来ると、普通列車しか停車しない駅への乗客がどれだけ待たされるのか、という点が疑問に上がる。武蔵小杉から下り方面だと、お隣「新川崎」駅への移動がまさにそれに該当するだろう。

スーパービュー踊り子3号(現踊り子5号)の直前には「9:42発横須賀線逗子行き」が存在する。その後「特急3(2)連続」を挟んだ後の列車もなんと「9:54発湘南新宿ライン快速国府津行き」のため、新川崎駅を通過する(経由しない)列車が4本も続いていた(現在も3本続いている)ことになる。

その後「9:57発横須賀線大船行き」が来るまで、新川崎に停車する列車の間隔は15分である。この15分という時間自体は、日中などに湘南新宿ライン快速・特快を挟むタイミングでよくある間隔ではある。ただ特に平日の場合、直前には9:31(改正後現在は9:33)、9:37、9:40、9:42と4連続で新川崎に停車する列車が来る。朝ラッシュ明け特有の偏りやすさといったところだろうか。

補足2:なお上りでは

武蔵小杉駅4番線の18:37頃の発車標(2020/3/18)

武蔵小杉駅4番線の18:37頃の発車標(2020/3/18)

ところで横須賀線武蔵小杉駅の「特急2連続」は上りにも存在する。それが旧スーパービュー踊り子10号・ダイヤ改正後の踊り子18号の直後に成田エクスプレス51号が走る18時40分頃のタイミングである。こちらも2010年の横須賀線武蔵小杉駅開業直後から存在しており、今では武蔵小杉駅唯一の「JR特急2連続」のタイミングとなっている。

その直後の列車は、現在は相鉄線からの直通列車「18:43発新宿行き」であるが、平日に限り相鉄線内特急の列車である(休日は相鉄線内各駅停車)。その意味では、さすがに苦しいが「特急列車3連続」と全く言えないわけでもない。

なお横須賀線の列車は18:34発(上総一ノ宮行き)の次が18:49(成田空港行き)と夕ラッシュ時間帯の割には開いており、間に特急2連続+相鉄線直通+湘南新宿ライン(宇都宮行き)と4本連続で横須賀線普通列車ではない列車が来ていることになる。元々3本連続→相鉄線直通開始で4本連続となり、武蔵小杉から品川方面に向かいたい乗客にとってはなかなか煩わしい時間帯かもしれない。