京急線には、京急の車両だけでなく都営浅草線(さらには京成や北総)の車両も走っている。
そんな都営車には長い間5300形が充当されていたが、次第に5500形に置き換わりつつある。5300形は最大27編成在籍していたものの2021年4月末現在で残り5編成となり、5300形が見られる確率は単純計算で都営運用に対して2割程度の確率となっている。
京急線内を走る都営運用がいくつか設定されているが、土休日に「日中以降はほぼ京急線内のエアポート急行(羽田空港⇔逗子・葉山)」というものが存在しており、片方向につき2時間20分に1回の頻度で都営車を見ることができる運用となっている。
横浜方面のエアポート急行の誕生(急行の復活)、そしてその枠に都営車が就く機会が設定され、2010年以降は京急逗子線で5300形を見られる機会も多くなってきた。長い間「新逗子」行きを見ることができたが、昨年2020年3月14日の駅名変更により「逗子・葉山」行きの表示に切り替わった。5300形の「逗子・葉山」表示が見られたのはこの1年ともう少しの間ということになる。
なお同じタイミングで反対側の終点も厳密には「羽田空港国内線ターミナル」駅から「羽田空港第1・第2ターミナル」駅に変更となっているが、行先表示上では「羽田空港」のままである。京成線・都営浅草線・品川方面からのエアポート快特などとしても見ることができる行き先だ。
駅名変更つながりで、京急東神奈川駅(旧・仲木戸駅)。この駅もエアポート急行の停車駅となっているため、たまにエアポート急行として停車する都営車の姿を見ることができる。
京急東神奈川駅は高架駅ながらも、同じ階層のデッキでJR東神奈川駅とつながっているため、ほぼ同じ高さを走る京急線の列車を見ることができる。特に上り列車(エアポート急行なら羽田空港行き)には、改札に入って目の前の列車に乗車できるようになっている。
また特にエアポート急行の場合、日中ダイヤ(土休日夜などを含む)では上大岡駅で快特を待避するため、都営車が終点駅以外で長時間停車したり他の優等車両と並ぶ貴重かつ確実な場面となっている。
赤い電車(たまに青い電車・黄色い電車)と白い電車(5300形)の並びが見られる機会も徐々に減りつつある。
赤&白という基本配色こそ同じものの白基調で存在感のあった都営5300形が見られなくなるのは寂しい一方、銀色ボディで最新鋭のデザインとなっている都営5500形もまた別の意味で京急の中では浮いており、引き続き京急線内で都営運用のアクセントを感じることができるだろう。