10年前の写真を振り返っていると、引退を約1年後に控えた京急旧1000形の写真が何枚かあるのだが、その中でもより一層懐かしさの残る写真を見つけた。この写真の撮影場所が京急蒲田駅の地上ホームであることもそうだが、より懐かしさを感じたのが行先表示である。
昔の京急では、金沢文庫ではなく「文庫」、あるいは神奈川新町を「新町」、京急川崎を「川崎」といったような、省略した駅名が表示される方向幕が10年ほど前まで残っていた。一時期まではむしろそちらの方が主流だったような気もするが、最終的には旧1000形の一部編成などにのみ残っていた。
一方、この2枚目の写真のように「金沢文庫」など正式な駅名が表記された方向幕に置き換わった編成も最終的には多かった。他の新しい形式の車両と比べると行先表示部がさほど横長でなく、やや詰まった感じで表示されている「金沢文庫」は、おそらく初めてみた時には違和感であったし、今改めて見ると「文庫」とは別の意味で趣を感じるものである。